[ドゥシャンベ 15日 ロイター] - イランのロウハニ大統領は15日、2015年核合意の参加国が「前向きな姿勢」を示さない限りイランは義務履行をさらに停止すると警告した。

イランは、米国による一方的な核合意離脱とイラン原油の全面禁輸制裁に反発し、5月に核合意の履行を正式に一部停止した。

タジキスタンの首都ドゥシャンベで開かれたアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)で演説したロウハニ氏は「イランが一方的にこの合意を堅持することができないのは明らかだ」と強調。

イランと米国との緊張は足元でさらに激化しており、トランプ米大統領は14日、ホルムズ海峡に近いオマーン沖で前日に発生した石油タンカー攻撃について、イランを非難。イランは関与を否定している。

ロウハニ氏は演説で、タンカー攻撃事件には触れなかった。

同氏は「核合意の全当事者が合意復活に貢献する必要がある」と訴えた。その上で、イラン以外の参加国の「前向きな姿勢」を確かめる必要があると述べた。他の参加国はロシア、中国、英国、フランス、ドイツ。

前向きな姿勢が何を意味するかについては明らかにしなかった。

同じ会議でロシアのプーチン大統領は、同国は核合意を堅持する意向だと述べ、他の参加国に同様の対応を呼び掛けた。

「全参加国が義務を順守することが唯一の賢明な判断だと考える」と述べた。