【命題】ドラム式洗濯機に「乾燥機能」は必要なのか

2019/6/15
生活用品から家電、そしてその次はーー。
1971年に創業したアイリスオーヤマは、次々と新領域に参入していくことで大きな成長を果たしてきた。元々は生活用品から始まり、2012年には生活家電に参入。当時は「ジェネリック家電」と呼ばれることもあったが、あくまでオリジナリティを追求し、モノづくりに励んできた。
2018年度のグループ売上高は4750億円と、この10年間で2倍以上に伸ばした。中でも家電事業の売上高はわずか7年で810億円に上り、アイリスオーヤマ単体の売上高の過半を占めるまでの存在感を示すまでになっている。
※アイリスオーヤマ単体の売上
そして、アイリスはさらに次なる領域へ踏み出そうとしている。
一つは「大型家電」への参入だ。これまでは「なるほど家電」と名付けたユーザーイン志向の小型家電でコツコツ売り上げを伸ばしてきたが、今年からはより大手メーカーの寡占が強いドラム式洗濯機や需要のピークとなる4Kテレビなどの攻略に乗り出す。
もう一つは、B2Bの開拓だ。詳細は特集でレポートするが、この新領域開拓のため、アイリスは元アスリートとして活躍していた人材など、異分野のエキスパートを雇い入れている。
アイリスは自らのことを「多国籍軍」と呼ぶ。家電など、新分野に参入する際に、積極的に技術者らを次々と採用し、新たなケミストリーを生んできたからだ。そして、今やスポーツ選手まで雇い始め、多国籍軍の彩りはさらに多様性を帯びている。
「2022年にはグループ売り上げ1兆円を目指す」
この野心的な目標を「多国籍軍」はいかに実現していくのか。その最前線を2回にわたってレポートしていく。
石垣達也(いしがき・たつや)アイリスオーヤマ株式会社家電事業部統括本部長。1998年入社。収納家具やインテリア事業部などを経て、家電事業部の立ち上げメンバーとなる

「無責任なアドバイス」がカギに

──家電事業の好調の要因はどこにありますか?