[13日 ロイター] - 「物言う株主」として知られるダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンドの米サード・ポイントは13日、ソニー<6758.T>に対し半導体部門のスピンオフ(分離・独立)やソニーフィナンシャルホールディングスなどの保有株売却を行い、世界のエンターテインメント企業のリーダーとしての地位を確立するよう求めた。

投資家宛ての公開書簡で明らかになった。

その中でサード・ポイントは、ソニーの株価は過小評価されているとし、複雑な構造が一因になっていると指摘。簡素化に向けた経営陣の大胆な対応を促した。

半導体部門についてローブ氏は「投資家によってしばしば付け足しのように扱われている」とし、「Sony Technologies」という名の日本の上場企業にスピンオフすべきとの見方を示した。

その上で、「新生ソニー」はゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス事業を持つクリエイティブなエンターテインメント業界のリーダーになるとした。

サード・ポイントは、ソニーフィナンシャルホールディングス<8729.T>、エムスリー<2413.T>、オリンパス<7733.T>、スポティファイ・テクノロジー<SPOT.N>の保有株売却を検討することもソニーに要請した。

ローブ氏は、ソニーの吉田憲一郎社長兼最高経営責任者(CEO)については支持する立場を示し、同社資産の価値を引き出すことに軸足を移すことで「より強力なソニー」を作り出すことができると指摘した。

サード・ポイントは6年前にもソニーにエンターテインメント事業の分離を求めたことがある。

ロイターは4月、サード・ポイントがソニー株を買い増して、同社に改革を求めようとしていると報じていた。

ソニーは、株主からの提案を真剣に受け止め、株主と建設的に対話していくと表明。投資を歓迎するとした上で、株主との対話の詳細についてはコメントを控えるとしている。

関係筋によると、ソニーはサードポイントへの対応について助言を受けるため、ゴールドマン・サックスと契約を結んだ。ゴールドマンはコメントを控えている。

14日のソニー株は大幅高。ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真・最高経営責任者(CEO)は、半導体部門は成功を収めており、スピンオフは合理的ではないと指摘した。

*内容を追加しました。