[ワシントン 12日 ロイター] - 米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ<UBER.N>は12日、ワシントンで開催した自社の会議で、ボルボ製自動運転車「XC90」の新型車を発表した。将来的に一定の条件下でドライバーなしの車両の展開を目指す。

ウーバーによると、XC90はボルボがスウェーデンで生産し、ハンドルやブレーキペダルなど人間が操作する制御装置だけでなく、工場出荷時に設置済みのコンピューター向けに設計したハンドルやブレーキシステムも搭載している。

ウーバー・アドバンスド・テクノロジーズ・グループ(UATG)のラケル・ウルタスン主任科学者は、幹線道路で長い距離を地図なしで、また「臨機応変に」走行するほか、建設区域の回避を可能にする同社の人工知能(AI)技術を披露した。

ウーバーはこれまでは、SUV(スポーツ用多目的車)XC90を約250台購入し、自動運転システムを後付けしていた。UATGを率いるエリック・メイフォファー氏によると、今回発表した新型車は安全性を高めたより信頼できる車両で、「間もなく」旧車両と交換する。同氏は、新型車は生産開始間近だと明らかにした。このモデルにはハンドルやブレーキ機能に加え、予備電源や新しいサイバーセキュリティーシステムなどのバックアップシステムも搭載するという。

ただ、メイフォファー氏は、ウーバーはまだ人間による制御装置なしの車両を導入する準備は整っておらず、今なおハイブリット状態にあるとし、大量の自動運転車両の展開には時間がかかると指摘した。

ボルボとウーバーは17年、UATGが開発した自動運転システムを利用したボルボ車両最大2万4000台を、ウーバーが19─21年に購入すると発表している。

<自動運転技術の競争激化>

一方、米自動車大手フォード・モーター<F.N>傘下の自動運転車部門、アルゴAIは12日、デトロイトで新型自動運転車「フォード・フュージョン・ハイブリッド」の公道試験走行を開始し、テストを行っている場所は5都市に広がった。フォードはまた、大手自動車メーカーや供給業者と手を組み、テルアビブで研究センターも開設した。

ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>は2018年1月、ハンドルなど人間による制御装置を持たないドライバーなしの車両の年内導入を目指し、米規制当局に承認を申請したが、今なお取得に至っていない。

アルファベット<GOOGL.O>傘下の自動運転車部門ウェイモは、アリゾナで「ロボタクシー」(自動運転車によるタクシー)サービスを行っており、先月には米配車サービスのリフト<LYFT.O>と提携したと発表した。