[ロンドン 10日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した4月の国内総生産(GDP)は前月比0.4%減と、市場予想を下回った。

自動車生産が統計開始以来、最大の落ち込みを記録した。欧州連合(EU)離脱を控えた操業停止が影響した。

多くの自動車メーカーは今年初め、3月29日に予定されていたEU離脱を控え、貿易の混乱を避けるため4月に一時的に操業を停止する方針を表明していた。離脱は延期されたが、操業停止の撤回は見送られた。

3月のGDPは0.1%減だった。

2─4月のGDPは前期比0.3%増と、1─3月の0.5%増から鈍化。市場予想を下回った。前年比では1.3%増に鈍化した。

4月の製造業生産は3.9%減と、2002年6月以降で最大の落ち込みを記録した。

自動車生産は前月比24%減と、1995年の統計開始以来、最大の減少。「輸送機器」全体では、1974年以来最大の落ち込みとなった。

ONSの統計官ロブ・ケント・スミス氏は「2─4月のGDPはやや鈍化した。4月がマイナス成長だった。自動車生産が急減したことが主因だ。当初のEU離脱予定日を控えた不透明感が操業停止計画につながった」と指摘した。

第1・四半期は、EU離脱を控えた在庫積み増しが予想以上の支援要因となったが、今回の統計では、その後、国内経済が鈍化していることが浮き彫りとなった。

英中銀は先月、第2・四半期のGDPが0.2%増と、第1・四半期の0.5%増から鈍化するとの見通しを示している。

EY・ITEMクラブの首席エコノミスト、ハワード・アーチャー氏はリポートで「4月のマイナス成長や5月も明らかに軟調となったことは、第2・四半期の英経済が著しく悪化するというわれわれの見方を強める」と指摘。

「第2・四半期のGDPの前期比伸び率は0.2%以下になると予想していたが、現在ではこの控えめな予想でさえ幾分楽観的であるようにみえる」とした。

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