【解説】世界のモーター業界と、日本電産の競争戦略を整理する

2019/6/13
「モーターは産業のコメになる」
総合モーターメーカー、日本電産の永守重信会長は、1973年の創業当時からそう考えていた。
スマホやパソコン、家電や工場など、身の回りの至るところで使われるモーター。あらゆるハードウェアがスマート化してゆけば、電気自動車(EV)やドローン、ロボットなど、今後さらにモーターの需要は高まると考えられる。
そうした中、特に日本電産が勝負をかけている、EVなど「車載用」のモーターは、異業種からの参入を含め、数多くの強豪プレイヤーがひしめく世界だ。
果たして電産に勝ち目はあるのか。モーター研究の第一人者である芝浦工業大学の赤津観教授に、分かりやすく解説してもらった。
赤津観(あかつ・かん)芝浦工業大学工学部教授
2000年、横浜国立大学にて工学博士を取得後、日産自動車の総合研究所で勤務。2015年4月より現職。モーター構造、制御、パワーエレクトロニクスなどが専門。