ユナイテッド・テクとレイセオン合併交渉、航空防衛巨大企業も-米紙
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2社の経営統合に加え、オーチスおよびキャリアのスピンオフによって、統合会社は民間航空機と防衛の2分野に事業を絞り込む見通し。さらにWSJの記事によれば、1980年代に60社前後あった米国の大手防衛企業は現在、ロッキード・マーティン、ボーイング、ノースロップ・グラマン、ゼネラル・ダイナミクス、レイセオンの5社にまでプライムコントラクター(主契約者)の統合が進み、米国防総省幹部はこれ以上の経営統合を認めない方針を示しているとのことです。
注目のコメント
ユナイテッドテクノロジーズは、傘下に航空機エンジンビック3の一つプラット&ホイットニー(P&W)、世界最大のエレベーターメーカー、オーチスエレベーター、及び空調機器世界2位のキャリヤーなどをもつ中間持ち株会社UTCクライメント&セキュリティ、そして世界最大の航空・宇宙機器メーカーであるUTCエアロスペースシステム(旧ロックウェル・コリンズ)などからなる、超巨大コングロマリットです。
以前から盛んにM&Aを行なって規模を拡大する一方(例えばロックウェル・コリンズの買収額は3兆3000億円)、コングロマリットディスカウントを防ぐためのグループの再編を進めており、先日もオーチスと、コリンズを除くUTCエアロスペースシステムをスピンオフする計画を発表したばかり。
今回は残ったC&Wとコリンズに、更に世界最大のミサイルメーカー、レイセオン(トマホークやパトリオット、最近日本でもお馴染みの弾道ミサイル迎撃ミサイルSM3はこの会社の製品)を併せようとするもので、これにより米防衛産業においてもボーイングに次ぐ世界第2位の規模になります。
UTCはこのところ相次ぐ買収で、株式市場では資本効率の低下が懸念されてきましたので、市場的には歓迎されると思いますが、UTCはトランプ政権に距離を置いているので、米政府があっさり認めるかどうかはわかりません。Doneとなれば極めて大きいディール。
Raytheonは売上約3兆円・時価総額約6兆円、United Technologiesは売上約8兆円・時価総額約11兆円。
Raytheonがほぼ防衛系専業に対して、United Technologiesは現在は資本財コングロで、エンジン(P&W)、航空機器・部品(Collins、これは2018年買収して大きくなった、①)、空調(Carrier)、エレベータ(Otis)がそれぞれ1/4~1/5ほどの売上を占める。
ただエンジン+航空機器部門以外をスピンオフする計画を昨年発表している(②)。Dow DuPontの統合→事業単位で3分割再編のパターンに似ていると思い、買収を重ねながら分離もして再編をしていく。
①https://newspicks.com/news/2474518
②https://newspicks.com/news/3492875
WSJ原文は下記。
https://on.wsj.com/2WmZWeZ