【暗躍】トランプも骨抜き。UAE皇太子の「人たらし力」
2019/6/12
アラブ世界の「真の」実力者
1991年、アラブ首長国連邦(UAE)の空軍司令官だったムハンマド・ビン・ザイド王子(当時29)は、武器購入のためワシントンを訪れていた。
イラクによるクウェート侵攻から数カ月。若き王子はヘルファイア・ミサイルやアパッチ・ヘリコプター、F16戦闘機などから自国を守るために、大量の武器を購入しようとしていた。そのあまりの量に、米連邦議会が中東地域の不安定化を懸念したほどだ。
だがペルシャ湾岸地域に協力的な同盟国が欲しかった米国防総省は、ムハンマドを有望なパートナーと見なした。UAE初代大統領の息子である彼はイギリスの陸軍士官学校で訓練を受けた経歴を持ち、1991年の湾岸戦争に際してアメリカに40億ドルの援助を行うよう父親を説得していた。
当時のリチャード・A・クラーク国務次官補は議員らに、ムハンマドが「侵略者」になることは決してないと保証。「UAEは地域の安定や平和を脅かす存在ではないし、今後もそうなることはない」と議会で証言した。
あれから30年。アブダビ首長国の皇太子でUAEの事実上の支配者であるムハンマド(現在58)は、アラブ世界で最も大きな力を持つ指導者と言っていい。
そしていまや、ワシントンに最も大きな影響力を持つ外国人のひとりでもある。
知名度は「MBS」に劣るが…
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