【青木真也】いつ死ぬかわからないから持ち家はいらない

2019/6/8
6月4日の『The UPDATE』のお題は「賃貸vs持ち家 どちらが正解か?」。
格闘家の青木真也氏、講談社のブランドマネージャー碓氷早矢手氏、エコノミストの崔 真淑氏、アドレスホッパーの市橋正太郎氏の4名をゲストにお迎えした。
これから日本で暮らしていく上で、賃貸か持ち家か、他の選択肢をとるべきなのか、議論した。
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番組の最後に、古坂大魔王が最も優れていた発言として選ぶ「King of Comment」は、青木真也氏の「いつ死ぬかわからない!」に決定。
番組終了後、いつ死ぬかわからないから「賃貸派」だという青木真也氏にお話を伺った。
持ち家を資産や投資として考えられない
番組冒頭で、現状では、家を持たないと不便だと考え「とりあえず賃貸」を選択していると話した青木氏。議論を経て、考えが変わる部分はあったのか。
青木 変わらないですね。僕はやっぱり、家を買うリスクを負う気はない。
結局、持ち家を選択する人たちは、みんな自分に対して自信や信頼があるんだと思うんです。
でも僕にはそれがない。これからずっと働き続けるモチベーションがあるかもわからない。
家族ができても一緒に暮らし続けるのかもわからない。恋人ができてもいつ別れてしまうかわからない。それどころか、明日のことすら、わからないんです。
まさに「いつ死ぬかわからない」というのを全体に生きているので、そこで「持つ」という選択肢は生まれないですね。
青木氏は、実家が持ち家だというが、それに対しても「欲しくない」という。
青木 僕は一人っ子なので、相続するとしたら僕のところにくるわけですけど、正直残されて、どうするんだろうと思っています。
番組では、持ち家のメリットとして、自分の子供のために資産として残せるという点について語られていた。
一方、青木氏は、その資産自体に対して、必要性を感じていない。
青木 家に限らず、お金とかもそうですけど、親をあてにしたいと思う気持ちが一切ないんです。
自分の働いたお金で自分の生活をまかないたい。お金をもらっても、面倒くさいなって思ってしまう。
さらに青木氏は、持ち家をもつことのデメリットとして、「住宅ローンなどを負うことで博打が打てなくなってしまう」と話していた。
もし相続で家や金銭など資産を譲り受けることができれば、その上で博打を打つことも可能なのではないか。
青木 金があれば勝負ができるか、といったら、また別の話です。お金があることによって生まれるリスクの方が僕は怖い。つまり、働かなくなる、向上心がなくなる。
正直、この論争は生き方や信条に関わる問題なので、答えはひとつじゃないと思うのですが、僕はそもそも必要以上のお金をもっていてどうするの?という考え方なのです。
持ち家を資産や投資の対象として見ること自体、できないんですよ。
「老後の資産」という考え方は傲慢
むしろ番組内で語られていた「老後の資産」という考え方自体に、青木氏は疑問をもつ。
青木 そもそも老後資金を考えること自体、奢りではないですか。
僕はいま36歳ですが、たとえば60歳まで生きると考えて資産を貯めるというのは、なかなか傲慢な考え方だなあと思ってしまう。
青木氏は「いつ死ぬかわからない」という前提で生きるからこそ、「老後」のイメージが全くわかないという。
一方で、古坂大魔王から「確率的に考えれば、老後の人生も続く可能性の方が高い」という指摘もあった。
さらに、将来的に医療の発展などにより、健康寿命がのびる可能性なども十分に考えられるが、その点について、青木氏はどう考えるのか。
青木 それもやっぱり、わからないです。昨日、知人のプロレスラーが死んで、先週は10歳上の格闘技選手が死んで、そういう現実を目の当たりにし続けていると、どうしたって老後も生きているなんて想像できない。
正直、大学卒業後、公務員になるまでは長いスパンで人生を考えている時期もありました。働いている組織はなくならないし、ずっと働き続けることで年功序列により給料も上がっていくだろう、と。
でも、そのあと格闘技の世界に入って、価値観は変わりました。
僕は今までに所属していた格闘技の団体がふたつ潰れているんですよ。そういうこともあって、仕事にしろ人間関係にしろ、永遠なんてものはないな、ってどうしても思ってしまうんですよね。
次回は「大企業×スタートアップ」
今まで「イノベーション=スタートアップ」という固定概念がありましたが、ここ数年、大企業でも、イノベーションを生み出すための取り組みが加速しています。
さらに、大企業とスタートアップを掛け合わせた「ハイブリッドスタートアップ」も急成長しています。
イノベーションを興すために最強なのは、大企業か、スタートアップか、それとも、ハイブリッドスタートアップなのか。
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<執筆:園田もなか、編集:木嵜綾奈、デザイン:斉藤我空>