ECB、来年半ばまで金利据え置き 利下げや追加資産購入も視野
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3月にフォワードガイダンスを3か月延ばしたばかりであることを考えると意外感はありますが、既にEONIA先物は15か月先の利下げを100パーセント織り込んでいます。即ちフォワードガイダンスの延伸とて市場期待以下という状況です。QE(正確にはAPP)を止めて半年で逆噴射させられそうという点も特筆すべきものでしょう。
ちなみに会見では「フォワードガイダンスを見る限り次の一手は利下げよりも利上げなのか?」との質問がありました。ドラギ総裁の回答は「No...」。ECBの正常化プロセスは完全に息の根が止まった感があります。10月末にはドラギ総裁は退任です。折しも英国の離脱期限も訪れます。
そこで政策は大きな節目を迎えるでしょうから、今回は、ひとまず市場の緩和期待を裏切らないよう歩調を合わせた発言という見方が妥当では。
貿易摩擦の長期化に加え、ドイツ銀行やウニクレディトなど、欧州の脆弱な銀行の株価は市場最安値圏で低迷していますから、ダウンサイドへ配慮を示す発言も想定通りと思います。来年以降の見通しを引き下げ、記者会見ではハト派な姿勢もみられたようですが、政策変更がなかったとのことで一部の市場の期待を裏切ったとの評価になっています。
米国にせよ欧州にせよ、現在の市場経済環境下、市場の緩和要求は根強く、それにつれて当局が動いている展開になっています(中銀としては嫌な展開)。