【限界集落】ふるさとの消滅は何を意味するのか
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本記事を書かせていただきましたMuratsumugi代表の田中です。
奈良の限界集落で生まれ、幼少期から「活性化以外にも地域へのアプローチはあるんじゃないか」と感じていました。そんな違和感に対して出した自分なりの答えが、2014年のTEDxで提示した「ふるさとの看取り方」です。
https://logmi.jp/business/articles/25268
最近「終活」という言葉をあちこちで聞きますが、これからは人口減少社会であると同時に、いわゆる「多死社会」に入っていきます。
人生をどう閉じるか、家をどう閉じるか、そして地域をどう閉じるか。対象はさまざまですが、いやがおうでも縮小していく社会の中で、「終わり方」を真剣に考えていく時期が迫っているのではないでしょうか。消滅する集落の記録を残す取組は、意義がある取組です。
ただし、大半の集落は良好に維持されていることも併記頂きたいです。
「3,044集落が消滅する」と表現すると、多くの読者は「少子高齢化によって集落の多くは持続できなくなりつつある」と誤解すると思います。
しかし、この記事で取り上げられている集落数は75,662集落ですから、消滅可能性があるのは4%程度。さらにいえば、消滅が10年以内なのは570集落(0.8%)にとどまります。
8割以上の集落は、当面存続するし、そもそも良好に維持されていると結論づけられています。
『条件不利地域における集落の現況把握調査について』
http://www.mlit.go.jp/common/001146177.pdf
本当の意味での「限界集落」はまだまだ一部であって、地域が持続できるように支えることの大事さを、多くの方に理解頂きたいと思います。人が集落から都市部へ移り住むことは、社会の成熟度によって起こる一般的な人工的自然現象であると言えます。
特に若い世代は誰でも便利を知れば生活水準を上げたくなりますし、土地での生活期間が短いので愛着という点でも低くすみますね。
そういった中で、創生する必要のある地域の優先順位付けは非常に大切だと考えています。
少なくても以下の3つは考慮が必要だと思います。
・その地域の人的リソースのビジネス成熟度
・物流や交通の難易度が低い
・地形的な災害リスクが低い
集落にも体力がある、という田中さんの考え方には、非常に共感します。