[フランクフルト/パリ 4日 ロイター] - 欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<FCHA.MI>がルノー<RENA.PA>との経営統合計画を巡り、フランス政府との主要な見解の相違を解消した。関係筋3人が明らかにした。

ルノーは4日の取締役会で、FCAとの経営統合計画について協議したが結論は出ず、折衝を重ね24時間以内に再開することで合意した。「取締役会は統合機会について関心を持って検討し続け、この課題に関する協議の延長を決めた」とする声明を発表した。

関係筋によると、FCAの取締役会はルノー筆頭株主であるフランス政府からの取締役受け入れ要求に関し、譲歩案を承認したもようだ。ルノーの取締役4人のうち1人をフランス政府に割り当てることで合意したほか、最高経営責任者(CEO)指名委員会についてもルノー枠の委員2人のうち1人がフランス政府に割り当てられるという。

フランス政府が経営やCEO指名に関して発言権を得る見通しとなったことで、FCAとルノーの統合計画は今後前進する可能性がある。[nL4N23B36K]

ルノーに近い関係筋によれば、フランス政府が雇用に関し拘束力を伴った合意実現を目指し、こうした認識を表明したという。

アナリストやフランス財界首脳らは合併提案について、ルノーや同社保有の日産自動車<7201.T>株を過小評価したと批判、同国政府も改善を求めていた。

関係筋2人によると、ルノー株主への特別配当も現在、検討中の提案に含まれているもようだ。2億5000万─5億ユーロ規模となる公算が大きいという。

ロイターが入手した合意原則では、新グループのCEOオフィスと欧州・中東・アフリカ地域本社をパリに置くとしている。

ルノー取締役会が合併案承認を決めれば、規制当局の認可などにもよるが、来年に続くと見られるプロセスが始まることとなる。