[メキシコ市 2日 ロイター] - メキシコのマルケス経済相は2日、米国のロス商務長官と3日にワシントンで協議を行うと明らかにした。トランプ米大統領が移民流入の問題を巡りメキシコに制裁関税を課す方針を示したことを受け、両国は今週、貿易摩擦拡大の回避を目指す一連の協議を開始する。

トランプ大統領は前週、中米諸国などからメキシコ経由で米国に入る不法移民の流れを止める対策をメキシコが講じなければ、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課すと表明した。

トランプ氏は2日午前にツイッターへの投稿で、メキシコは「米国を悪用し、(2国関係の)恩恵を享受するばかりで決して貢献はしない」と批判し、関税発動の方針を繰り返した。

その数時間後にはまた、「メキシコは国境について協議するために大規模な代表団を送る。問題は、彼らがこれまで25年間も『協議』を行ってきたということだ。われわれが求めているのは協議ではなく行動だ。メキシコが本気になれば国境の危機は1日で解決できるだろう」と強調した。

トランプ氏は、メキシコが移民対策を講じなければ、関税率は7月1日に10%、8月1日に15%、9月1日に20%、10月1日に25%に引き上げるとしている。

メキシコのロペスオブラドール大統領は1日、トランプ氏の警告を受け、移民規制の強化に合意する構えであることを示唆した。また、ワシントンでの協議については「良い結果」を期待していると述べた。

同氏はメキシコ国民と米国民は友人だと語り、「われわれの美しく神聖な友好関係は原因が何であれ、誰であれ、壊されるべきではない」とした。米国民に「覚書」を送る意向も示した。

マルケス経済相によると、エブラルド外相が率いる代表団が協議のため、ワシントンに向かう。マルケス氏も代表団に含まれるという。

エブラルド外相はポンペオ米国務長官と5日に協議を行う見込み。メキシコ側によると、事前に別の会合も予定されている。

トランプ大統領は2日のツイッターへの投稿で、メキシコに事業展開する米企業も批判。「米国の多くの企業と雇用は愚かにも国境から南に移ることを認められてきた。それが税(関税)を通じて米国に戻されることになる」とした。「もう十分だ!」と不快感を示した。

一方、ロペスオブラドール大統領は1日、メキシコが貿易戦争に突入することはないが、トランプ氏が関税を適用した場合の「計画」があるとした。詳細は明かさなかった。また、紛争解決に向けて国際的な仲裁機関に持ち込む権利を留保すると表明した。