【衝撃】ついに1億円選手誕生。バスケ最人気球団の「裏側」

2019/6/4
5月に3年目のシーズンを終えた男子プロバスケットボールの「Bリーグ」で、6月3日、日本人初の年俸1億円選手が誕生した。
B1東地区の連覇を達成した千葉ジェッツふなばしの司令塔で、日本代表の富樫勇樹だ。
「今のレベルのプレイヤーになっていたとしても、Bリーグがなければ1億円に到達することはなかったと思います。この金額で契約できるとは、夢にも思っていなかったです」
身長167センチながら、スピードとテクニックに優れる富樫(©B.LEAGUE)
スポーツ選手の年俸1億円と言えば、プロ野球のロッテ・オリオンズ(当時)の落合博満が1986年、読売サッカークラブ(当時)の三浦知良が1992年に初めて手にした。
それから27年を経て、バスケでも大台に到達する選手が現れた。
「マイナースポーツだったところから少しずつ頑張ってきたバスケ界で1億円選手が誕生し、『落合、カズ、富樫』と言われるわけです。大きな十字架を背負うことになりますが、バスケ界の発展に大きな貢献につながると私も富樫も思っています」
そう語るのは、ジェッツの島田慎二社長だ。
会見に出席した島田社長(左)と富樫。2015年にジェッツと契約した当初、半年間プレーする報酬は100万円だったと富樫自身が明かした(写真:中島大輔)
Bリーグでは選手の年俸が非公開だが、島田社長と富樫は議論を重ね、発表することに決めた。
チーム内からは「富樫が1億円ももらえるなら、俺ももっと上げてほしい」、他チームの経営陣からは「ジェッツが1億円も払うなら、うちも上げざるを得なくなる」という不満の声も想定されるが、発表に踏み切ったのは、プラスの効果が大きいと考えたからだ。
コート面で言えば、身長167センチの富樫が初の1億円プレーヤーになったことに価値がある。
競技特性的にフィジカルが大きく左右するなか、Bリーグ平均(191.3センチ)はもちろん、25歳の全国平均(170.9センチ/出典:総務省「国民健康・栄養調査」)も下回る富樫が、スピードとテクニックで大男たちを翻弄(ほんろう)する様は、バスケ少年・少女の大きな励みになるはずだ。
(©B.LEAGUE)

読売、ロッテと異なる意義

一方、島田社長は経営的な側面を口にする。
「千葉ジェッツは地域密着のプロ球団。いわゆる大資本の支えなく、自力で地元のスポンサーをとり、地元のファンにチケットを買ってもらい、ファンクラブに入ってもらい、グッズを買ってもらい、コツコツと積み上げた収益をもって“おらが町のチーム”が1億円プレーヤーを生み出す意義は、読売サッカークラブやロッテオリオンズの比ではないと思います」