【新】VC日本上陸20年の歴史と、ベンチャー投資の行方

2019/6/3
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第193回(全5回)は、グロービス・キャピタル・パートナーズ(以下GCP)の代表パートナーであり、日本ベンチャーキャピタル協会会長の仮屋薗聡一氏と、経済誌Forbesが選ぶ「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」で1位に選出された、代表パートナーの高宮慎一氏が登場する。
先日GCPは、日本発のユニコーン(時価総額1000億円以上の未上場企業)創出を目指し、375億円の大型調達を敢行した。世界に挑むメルカリに次ぐスタートアップを輩出しようと、シード・ラウンドからユニコーン・ラウンドまで継続的な投資支援を行う計画だ。
起業後進国と言われた日本にも、ようやく「スタートアップ・エコシステム」が確立してきたが、その契機の一つは、GCPが1996年に行った一号ファンドの設立であった。
それから20年以上の時が経ち、VC産業は次のステージへと飛翔する。
90年代に訪れたスタートアップの隆盛と冬の時代、そして再び息を吹き返した今日まで、時代を創ってきた当事者たちがベンチャーキャピタル史を振り返るとともに、新たなユニコーン誕生への道筋を聞く。

日本には革新の条件がなかった

──グロービス・キャピタル・パートナーズ(以下GCP)は日本のVCの老舗です。まずは、創業メンバーである仮屋薗さんに、立ち上げに至った背景を聞きながら、日本のベンチャーキャピタルの歴史について振り返っていただきます。