【新視点】就職にも役立つ「つぶれない会社の見分け方」

2019/6/7
ファイナンス面から企業を調べる時、これから出す利益や成長力といった「株式目線」で見る場合が多いだろう。
しかし、最終的につぶれるか、つぶれないかを分析する「クレジット目線」も重要な視点だ。
過去には、東芝、シャープ、タカタ、東京電力、日本航空(JAL)といった大企業でさえも経営危機に見舞われ、その一部は破綻した。
18年度に増収増益の日本航空も2010年に経営破綻を経験(写真: アフロ)
国内外の景気に不透明感が高まる中で、投資先、取引先、就職先といった形で関わる企業のクレジット(信用力)を知ることの重要性は高まりつつある。
長年、企業の信用力評価に携わってきたみずほ証券の大橋英敏チーフ・クレジット・ストラテジストに、知識ゼロからどのようにクレジット的な見方を身に付けられるか解説してもらった。

クレジット知識は役に立つ

──クレジットとは何でしょうか。社債を買う投資家には必須の知識だと思うのですが、それ以外の方がクレジットを学ぶとどんなところで役に立ちそうですか。
大橋 クレジットは、知っておかないといけない一つの金融リテラシーだと思います。
例えば、過去には人気企業であっても、急に経営危機に陥るケースもあります。こうしたことを考えると、就活生や転職を考える人が就職先を評価するのにもクレジットの視点は大事だと思います。
また、「確定拠出年金(401k)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などの制度が広がっており、個人が株式だけでなく、国債や社債などの債券も含む商品から自ら投資先を選ぶシチュエーションも増えています。
自分である程度資産運用していかないといけない時に、ボラティリティ(変動)の大きい株式だけに投資するというのはリスクが高いです。