【ランキング】最新決算で見る「勝ち組・負け組」、次の成長業界

2019/6/6
本特集「ファイナンス脳」ではこれまで、個別企業の分析に必要なファイナンスの知識を学んだり、実務者に経験を語ってもらったりしてきた。

企業の決算書を集計したデータを使えば、国内企業の共通課題やトレンドを見ることもできる。決算データのランキングやチャートを基に最新の業界動向や、今後の成長をけん引する業界を紹介する。

また、国内株式の専門家に最新の2018年度決算の注目ポイントを聞いた。

「利益の質」をランキングで比較

「利益の質を考えた場合、利益率が高いことが重要です」
株式運用に詳しい東京海上アセットマネジメント(AM)の中川喜久株式運用部長は、決算では「利益の成長性」を重視していると語る。
企業が本業で稼ぐ力を示す営業利益は、金融など開示しない業界もある。このため、経常利益が最新決算でどう変化したかを、SPEEDAのデータを基に業界ごとに集計した。
東京海上AMの中川氏によると、人件費を抑えるためのIT投資が活発となっており、広告・情報通信サービスに分類されるインターネットやソフトウェア企業はその恩恵を受けた。
このほか、「EC(電子商取引)やゲームの企業が『収穫逓増(売り上げ増でもコストは増えにくい)』メリットを生かして利益を増やしている」(中川氏)
加えて人手不足を背景に人材派遣やアウトソーシングといった法人サービスも好調となっている。