【新】今年こそ「ファイナンス脳」を鍛えよう

2019/6/3
経済ニュースが面白くなる
2019年も企業の決算発表が集中する5月が終わった。
大きなニュースとしては、トヨタ自動車は、日本企業として初となる「売上高30兆円」を達成。ソフトバンクグループは、本業のもうけを示す営業利益が、2兆円の大台を突破した。
その一方で、積極的にM&A(企業の合併・買収)を続けてきたRIZAPグループは、買収先の経営不振で11年ぶりに最終赤字に転落。193億円の純損失となった。
また、プラント大手の千代田化工建設は、2019年3月末時点で、借金が資産総額を上回る「債務超過」に陥るという珍しいニュースもあった。
結局、同社には、三菱商事と三菱UFJ銀行が1800億円もの支援をすることとなった。
写真:田村翔/アフロ
こうした企業決算関連の経済ニュースを読んで、独特な専門用語に戸惑ったことはないだろうか。
決算書を読むには、会計やファイナンスの知識が必要だが、少しのコツさえつかめば、経済ニュースも深く面白く理解できるようになる。
しかも、「専門用語」といっても、会計・ファイナンスの世界はグローバルで基準はほとんど同じ。言葉遣いのポイントをつかめば、英語で決算書を読むハードルも下がる。
今回の特集「ファイナンス脳」では、さまざまな角度から会計やファイナンスの知識を深められる記事を公開していく。
決算書の中から、数字とファクトをざっくりと理解し、企業の実態を知れるようにする──。
それが今回の特集のコンセプトだ。
夏野剛、村上世彰、日本電産前CFO
特集1本目は、特別対談をお届けする。
ドワンゴ社長になった夏野剛氏と、「物言う株主」として市場を揺るがしてきた投資家の村上世彰氏が、投資漫画「インベスターZ」のリアル版ともいうべき、通信制高校に「投資部」を作る。
高校生に対して、どうファイナンスの世界に案内していくのか。対談の中でその疑問に答え、構想を語る。
【夏野剛×村上世彰】もしも高校生にファイナンスを教えるなら...
特集2本目は、「ファイナンス脳」を持って実践してきたプロが登場する。
モーター大手の日本電産で2018年までCFO(最高財務責任者)を務めた吉松加雄氏が、その経験を話す。
「永守重信」というカリスマ創業者を、CFOとしてどう支えてきたのか。貴重な体験を語った独占インタビューをお届けする。
【独白】日本電産のカリスマ創業者を「ファイナンス」で支えた男
「ファイナンス脳」を鍛える
特集3本目は、「ファイナンス脳」を鍛えるための基本中の基本である、損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)の財務3表をインフォグラフィック形式で解説する。
最新の企業決算のデータも盛り込みながら、なじみやすいキャラクターとともにわかりやすく図解する。
【完全図解】ざっくりつかむ。会計・ファイナンス「超入門」
その後は、レベルを上げながら、各論に入っていく。
例えば、企業がキャッシュ(現金)を稼ぐ速度を数値化した「CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)」について取り上げる。事例として、アマゾンやZARAを出す。
写真:ロイター/アフロ
この回は、 財務戦略アドバイザーでインテグリティ代表取締役の田中慎一氏が解説する。
【解説】お金を生む力。アマゾンとZARAは「CCC」がすごい
上場企業の現役CFOも解説者として登場する。
再生可能エネルギーの発電施設を開発・運営するレノバでCFOを務める森暁彦氏である。
BSから企業の「本当の実力」をどう読み取っていくのかを解説する。
【1万字】怪しさも見抜ける。バランスシートの「本当の読み方」
「クレジット」から企業を見る
その他にも、最新の決算から見えてきた国内経済の動きや、株式投資において見るべきポイントについて第一線で活躍する専門家が解説する。
そして、目立たないが、企業の実態を知る上では欠かせない「クレジット」の世界も記事で取り上げる。
【ランキング】最新決算で見る「勝ち組・負け組」、次の成長業界
【新視点】就職にも役立つ「つぶれない会社の見分け方」
会計・ファイナンスの知識は、少しでもあれば、決算書や経済ニュースをさらに深く理解できるようになる。そして、企業の見方が大きく変わる。
つまり、「ファイナンス脳」を鍛えれば、転職を考える人や就活生にとっては、企業分析にも大きく役立つ。
もちろん、ビジネスパーソンが、ライバル企業の動向を知るために、決算書を読み込むこともできる。
会社の数字をざっくりつかむために、今年こそ「ファイナンス脳」を鍛えよう。
(執筆:谷口 健、デザイン:黒田早希)