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小さい!
MALDI-TOFなら小型のものが出てきていますが、最新機よりも大幅に小型化?
どうやってここまで小さくできたのか、が一番興味あるところですが、島津情報を待ちたいと思います。

質量分析計とは、いわゆる何グラムとかそういう重さを測るものではなくて、分析対象となる試料中に含まれる化合物の「分子量」を調べる装置です。
試料を何らかの方法でイオン化させたものに電圧をかけて飛ばし、検出器まで到達するのにかかった時間から、どのくらいの分子量のものが含まれているかを割り出せるという原理です。だいぶざっくりですが。
原理的には、下記のBrukerさんのMALDI-TOF原理説明動画がシンプルかつかっこいい感じです。
https://youtu.be/0jeFpXHZ8W0


<追記5/29>
公式から発表されました。
https://www.an.shimadzu.co.jp/ms/maldimini-1/index.htm
TOFじゃなくてイオントラップ方式でした。↑のTOF話はご参考ということで...
島津製作所のホームページみてもプレスリリース出てないなあ。

田中さんのノーベル賞の技術でタンパク質の分析、ということは、イオン化法はMALDIに類する技術だとして、質量の分析はどうやるんだろう。TOFMSだと場所取りそうだから、卓上に向いてなさそうだし。やはり、分解能を犠牲にしてるんかな。

似た話で、NMRという、化合物の構造などの分析に用いる装置も、10年くらい前から「卓上」バージョンが開発されていて、前職の研究所にありました。(それは島津さんは関係ないけど)小さい分、性能(分解能)を犠牲にしていて、なんとも研究の中での使いどころを選ぶなあ、という印象でした。

ところで。
僕の一番の驚きは、田中さんが「研究者自身がその場で手軽に分析できる」というところに情熱を燃やしていた、という点です。
田中さんのご専門が、仮に「質量分析」だとすると、研究の方向性は2つかな、と考えていました。
①これまで分析できなかったものを分析できるようにする(田中さんのノーベル賞は、これを達成したもので、「タンパク質みたいな大きな分子の質量を決められるなんて!」という貢献だったわけです)
②これまでの分析の性能を上げる(分解能をあげるとか、感度を上げるとか。JEOLのspiral-TOFMSとかはこれ。)
なんというか、どちらも「極める」系の研究。

でも、今回の発表は、たぶんそのどちらでもなく
③これまでの分析技術の使い勝手をよくする
と言えそうです。極める系というより、広げる系。
しかも、田中さんのノーベル賞のMALDI-TOFMSって、もはやこれを導入していない研究所はないのでは?というレベルで普及している段階なので、「おお、そっちなのか」と感じました。もちろん、どちらがいいとか悪いとかじゃなくて、個人的には意外だった、というお話。
田中氏「(ノーベル賞を受賞してから)こういう装置があったらいいなと思ってきた。今後はハードウエアの開発にもっと携わりたい」との言葉に痺れました。イノベーションの出発点は純粋な思い。
質量分析器、宇宙探査にも非常に重要な機器です。例えば土星探査機カッシーニの質量分析器は、エンセラドスから噴出する蒸気の中から水素を検出しました。これによりエンセラドスの氷の下の海に熱水噴出孔があることが有力になりました。質量分析器は地球外生命探査に不可欠。たとえば地球の生命は動物も植物も菌類も、数あるアミノ酸の20種類だけをレゴのように組み合わせてできている。海水を質量分析計にかけると、20種類のアミノ酸だけが不自然に高い濃度で検出される。そのような不自然な有機物の分布を検出することが地球外生命探査の基本です。

そして、宇宙探査機に載せるには、小型化、改良化が必須。とくに生命探査に求められる精度の良いものは小型化が難しいです。とはいえ、質量分析計はさまざまな種類があり、検出対象の物質もさまざまなので、今回のものが直接宇宙用途に応用できるかはわかりませんが。

手前味噌ですが、このトピックについて知りたい方、拙著「宇宙に命はあるのか」をご覧ください。4章を丸々割いてこのネタを書いています。
まさに「卓上」!
お値段までは書いてありませんが、研究室の分析機器は「大きくて高額」というイメージも払拭されそうですね。
株式会社島津製作所(しまづせいさくしょ、英語: Shimadzu Corporation)は、京都府京都市中京区に本社を置く、精密機器、計測器、医療機器、航空機器を製造する企業である。 ウィキペディア
時価総額
8,163 億円

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