Facebook Japan 創業幹部が語る「最強の起業メソッド」

2019/5/29
最前線で活躍するイノベーターたちの講義をオンラインでお届けする動画講義『MOOC』。
先週からは「起業・新規事業」特集の配信を開始した。
そして本日、元・Facebook Japan 副代表で、現在 Supershipホールディングス 代表取締役社長 CEOを務める森岡康一氏の「世界で勝つためのハイブリッドスタートアップ論」をお届けする。
スタートアップと聞くと、少ないリソースをフル活用して成長するというイメージが強いかもしれない。
しかし、「自社のリソースだけで最短・最速で成果をつかむのは難しい」と森岡氏は語る。
そこで森岡氏が提唱し、実践するのが大企業とのコラボレーションによってスタートアップを急成長させる「ハイブリッドスタートアップ」という手法だ。
本講座では、森岡氏がそのエッセンスを「約3分×8話」に凝縮して伝授。起業を考えている方だけでなく、スタートアップとの協業を模索している大企業の担当者も押さえておきたい内容だ。
ここでは、無料公開中の第1話を抜粋してお届けしたい。なぜハイブリッドスタートアップが有効なのか、アメリカ、中国のスタートアップ事情と比較しながら森岡氏が解説する。
無料公開中の第1話はこちらから

大企業は「大先輩」

森岡 Supershipホールディングスの森岡康一です。
「おまえは誰だ!?」という方もいらっしゃるかと思いますが、私はヤフー、Facebook Japan 副代表を経験し、IT業界でキャリアを歩んできました。
そして、現在はKDDIの子会社であるSupershipホールディングスのCEOを務め、年平均成長率35%の実績を残しています。
本講座では、なぜこれだけの成長を実現できたかを中心にお伝えします。
当社は創業時から「日本一、世界一になるぞ!」という心意気は持ちつつ、どうしたら最短、最速でそこまで到達できるか考えて経営してきました。
そして考え抜いて採用したのが、「大企業」と組むという手段でした。
ちなみに、私は大企業という言葉が大嫌いです。
今後は大企業を「大先輩」と呼びますので、その文脈もご理解ください。
さて、ハイブリッドスタートアップのお話をする前に、まずスタートアップを取り巻く全体感についてお伝えしましょう。
まず、いわゆる「ユニコーン」と呼ばれる企業が全世界におよそ220社あります。(2017年時点)
そのうち、77%をアメリカと中国の企業が占めているのです。
なぜこのようになったのでしょうか。
まず、アメリカはスタートアップを成長させるエコシステムがあります。
チャレンジを応援する文化、VCから多額の資金をスピーディーに調達できる環境、そして優秀な人材が集う流動性がスタートアップを大きく成長させます。
一方、中国は政府の後押しが強力です。
その影響で人とお金が一気に集まりました。一説では、2005年から2015年の10年間で投資総額が10倍になったそうです。
翻って、日本はどうでしょうか。
スタートアップの成長に欠かせないお金と人材が集まる場所はやはり「大先輩(大企業)」になります。
学生の人気企業ランキングも上位は大先輩が占めています。
一方で、大先輩は人材とお金を持て余しているのが現状です。
また、歴史を紐解くと大先輩と組んで急成長した企業は数多くあります。
例えば、トヨタ自動車はもともと豊田自動織機の一部門でした。豊田自動織機が持つテクノロジー、人材、資金力、これらを活用して成長したのです。
日本では、スタートアップのスピード感と新規性、大先輩のリソースを組み合わせて急成長させるハイブリッドスタートアップが適しているのではないかーー。
そう考えて、私はSupershipを立ち上げました。
大企業というと、「大企業病」とか硬直してるとかネガティブなイメージがあるかもしれません。
しかし大先輩として接する中で、その印象も変わります。
この講座では、第2回目以降でこのハイブリッドスタートアップのメリットや成長に欠かせないM&Aのポイント、そしてもっともお伝えしたい起業家の心構えをお伝えします。
ぜひ最後までご覧ください。

最強の起業メソッドが明らかに

世界で勝つためのハイブリッドスタートアップ論」では、第2話以降でその内容を詳細に解説する。
第2話以降のタイトル、内容は以下のとおり。第8話の最後に送る森岡氏のメッセージまでぜひご覧いただきたい。
ハイブリッドスタートアップの具体的なメリットとして、森岡氏は「資金調達、アライアンス、人材獲得」の3つを挙げる。
特に、資金調達は大企業の信用を借りながら、圧倒的なスピードで驚異的な金額を調達できるという。
Supershipの驚くべき調達金額とともに、ハイブリッドスタートアップの資金調達術を伝授する。
ハイブリッドスタートアップがなぜ人材獲得やアライアンスを組む上で有効かーー。
森岡氏は「信用」をキーワードに挙げて、その理由を解き明かす。
スタートアップに関わる人なら知っておきたい、信用があるからこそできることとは?
スタートアップが成長する過程で、M&Aは有力な戦略の一つだ。
しかし、M&Aを成功させるにも見落としてはいけない点があると森岡氏は語る。
中でも「現場の声」はM&Aの成否を分けるという。豊富なM&Aの経験をもとに、森岡氏が徹底解説する。
「M&Aを成功させるには、買収先から享受するシナジーだけを考えてはいけない」
森岡氏はこれを踏まえて、自社が提供できるシナジーを6つの観点から検討する必要があると述べる。
Supershipの事例をもとに、M&Aを成功に導く考え方をマスターする。
森岡氏はハイブリッドスタートアップで気をつけるべきこととして3つをポイントを挙げる。
その一つとして、「融合」というワードは禁句だと指摘する。
なぜ融合を図ってはいけないのか!?意外と見過ごしがちなM&Aの罠を、森岡氏が熱弁する。
「上場して世界で戦う企業になる!」
意気高らかに起業したものの、それを実現するためのマインドやシステムが備わっていないケースが多々見られると森岡氏は指摘する。
特に投資金額への感覚の違いは顕著だ。
第7話では、世界で戦う企業を育てる上で持っておきたい心構えについて伝授する。
「借金2,000万円の人と借金100億円の人、あなたならどちらと結婚するか?」
この問いに対して、森岡氏は後者であると断言。その理由は、先ほども挙げた「信用」に隠されていると説明する。
最終話では起業家にとって絶対必要な「信用」と、失敗する起業家の3つの特徴について森岡氏が力説する。
アカデミア会員の方は、アプリにて全エピソードを視聴いただけます。詳細は以下の画像をクリックしてサイトをご覧ください。