[ワシントン 24日 ロイター] - 米商務省が24日発表した4月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.9%減と、市場予想の0.3%減よりも大幅な落ち込みとなった。米経済は第1・四半期に輸出と在庫が寄与したことで成長が加速したが、その後は製造業を含め景気全体が減速していることを示すさらなる兆しだ。

3月の数字は当初発表の1.0%増から0.3%増へ下方改定された。4月の前年同月比は2.6%増だった。

製造業の勢い鈍化は、このところの米中貿易戦争の激化以前からみられ、エコノミストは耐久財需要の弱さが継続するとみている。

マークイットが前日発表した5月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.6と、4月改定値の52.6から低下し、2009年9月以来の低水準となった。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「設備投資は経済の前進にとって絶対的に重要だ」などと指摘した。

国内総生産(GDP)の設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷は前月から横ばい。3月の数字は当初発表の0.1%減から0.6%減へ下方改定された。3月の数字が下方改定されたことは、第1・四半期の設備投資が当初予想より弱かったことを示す。30日に公表されるGDP改定値が下方改定される可能性がある。4月に発表されたGDP速報値は年率で3.2%増だった。第2・四半期GDPの予想は年率で2%増を下回っている。

耐久財受注の内訳は、機械が前月比0.1%増。3月は2.0%減少していた。電機・家電は4月に0.9%増加した。一方、コンピューター・電子製品は0.4%減少。一次金属も落ち込んだ。

全体の耐久財受注は2.1%減だった。耐久財はトースターから航空機まで3年以上使われるモノを指す。3月は1.7%増加していた。4月は輸送機器が5.9%減少し、前月の5.9%増から反転した。自動車・同部品は3.4%減と、18年5月以来の大幅な落ち込みだった。民間航空機は25.1%減。前月は7.8%増だった。

米航空機大手ボーイング<BA.N>のウェブサイトによると、4月の航空機受注は4機にとどまり、3月の44機から減少した。4月の受注は全て、問題になっているボーイング737MAX型機。販売が好調だった同型機は5カ月間で2回の墜落事故を起こし、3月に運航停止になった。ボーイングは同型機の生産を減らし納入をストップしており、製造業の弱含みの一因となっている。

全体の耐久財の出荷は1.6%減と、15年12月以来の大幅な落ち込みだった。自動車・同部品の出荷が3.4%減少した。民間航空機は16.0%減だった。

耐久財の在庫は0.4%増。自動車が0.8%増加した。民間航空機は1.3%増だった。

エコノミストは弱い指標、貿易戦争を巡る不透明感、鈍い世界成長により米連邦準備理事会(FRB)が利下げを迫られる可能性があると指摘。

JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、FRBの次の動きは利上げだと想定していたが、今は利上げと利下げのリスクがおおよそ同程度とみていると述べた。