【全訳】 メイ英首相、辞任会見 「愛する国に仕えた」と涙声で
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注目のコメント
Moriさんがこの(和訳字幕つき)リンクを貼ってくれたお陰で確認できた。(有り難うございます。)
残念ながら辞任が金曜日であり、ファーウェイとトランプにかきけされたため、日本ではこの映像はなかなか一般まで流れているとは言い難い。そして多分もう流れることはない。月曜のニュースでも恐らくこの映像がトップに来ることはない。
Brexitがここまでの状況にはなったが、Brexit以外の残りのことをちゃんとそこそこやっていたことはこの演説で初めて知った。
だからこそ、財政赤字などの削減を演説では誇る反面で所得格差対策などは本当に充分だったのか、この演説では気になる所。
さて、この演説が例え素晴らしくても、私はこの人における3つの判断ミスを指摘する必要がある。
1つは2017年における解散。あのBrexitが決まった後の解散。あの解散は事後論だけでなく事前にも必要はなかったことは議論が出ていた。あのときに解散しなければ、もう少し議会がまとまれたと思えてならない。
2つは2019年頭の「8つの議員提案の採決」を許したこと。
中高の生徒会や大学の自治会・大学生協の総代会などで議会運営のあり方を見つめ直したことがある人なら分かる話ではあるが、まともな議会なら複数の修正動議が同時に出されたときは、原案から最も遠いものから順に採決を行うことになっている。
それには理由があって、この演説でも鍵となっている「妥協」を導く上で、原案が片方の極にくることを想定しているからである。
しかし、今回の原提案はEUとの合意の案が来る。従って、妥協を導く上で、工夫が必要になる。
特に、賛否基準を1次元上の遠近で判断できる形で並べにくい場合、3つ以上の案に対しまともな形で合意をとる手段が無いことは「アローの不可能性定理」等を基にすると実は予見できる。
とすると、「全てが否決されたら身動きできなくなる」ことを基に、すべての案を採決するという判断を変えなければならなかったのである。
実際に全てを否決された後、メイ首相は一事不再議に苦しんだ。
3つは今解散せず見解の割れる保守党内から後任を選ばせる形にしたこと。
議員内閣制の最大の良さは解散によって身動きの取れない議会・内閣から多数派の内閣に変えられることである。離脱強硬派と袂を一時的に分かち、解散をしてから辞任の方が意味がある。