【ハーバードの東洋哲学】強くなるために弱くなる──老子と〈道〉
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日本の禅寺で修行したドイツ人に「禅の極意」を教わった事がある。
そこで思った事ですが。。。
西洋的合理主義は、相手を力でねじ伏せてでも勝つ意識が強く、社会も個人主義をベースとしている。
自然は打ち勝つものだし、自分の都合で事象は変えるもの(ベルサイユ宮殿を見ればわかる)。
それに対して、東洋思想(特に日本の思想)は協調や共存が根底にある。
日本庭園の自然を活用した作りや、田舎での地域のあり方はそうかと。
だから、個人主義に疲れた西欧人が惹かれるのも解らなくは無い。
でも皮肉なのは、老子を生んだ中国が最も西欧に近い「自分主義国家」になっていること。
「東洋的」に米国と対立すれば、もっとアジアでの賛同を得られるのに。。。外国人や日本人と老子について話すと、原典を読んだ自分の理解と、日本人の理解と、中国人の理解と、西洋人の理解(例えばこの本)とで、ニュアンスや注目するところが結構違っていて、面白いというか驚かされる。
例えば、老子は「無為にして為さざるなし」と言っていて、目的を持つこと自体を否定しているので、「強くなるために弱くなる」という表現は、私からすれば解釈として間違っていると思うのだが、ハーバード的にはこれが引き出したい教訓なのかも知れない(記事本文にはそう書いていないので、NP編集部による解釈?)老子の言葉でいちばん好きな言葉は「上善は水の如し」
「強さ」の概念を変えてくれた言葉です。
たくましく、大きくて、ブレない。そんな固定概念がどこかにありましたが、水のように形を変えながら、みんなの役に立ち、自らは低い位置に身を置く(流れていく)という水の性質こそが善。VUCA時代に輝く考え方だと思います。