【ファーウェイCEO】米国と衝突する日は、必ず来ると思っていた
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従前より予定されていたファーウェイのレンCEOインタビューが、期せずして凄まじいタイミングで実現しました。アメリカがファーウェイを排除する大統領令に署名した、わずか3日後のことです。
中国・深セン本社はこれまでもオープンに取材を受けてきましたが、やはり一代で10兆円企業を築いた創業者の「生の声」には迫力があった。今、トランプや中国について、これほど自分の言葉で話す経営者が、日本にどれほど存在するでしょうか。
ところで、ファーウェイが米メディアを本社に招待するツアーをやっていたという類の記事が出ていましたが、NewsPicksは本インタビューにおける全ての取材経費は自社負担です。こうやって使える機会を利用してちゃんとCEO自ら外交して、素晴らしいですね。
ファーウェイはアフリカの視点からみると、携帯電話というより通信機器の会社。アフリカの携帯電話のシェアは中国トランシオンが半数近いトップシェアで、Huaweiは10%程度に過ぎない。一方で、アフリカの4Gネットワークの7割がHuaweiで、5GトライアルのパートナーはほぼHuaweiが独占している。
同社の売上構成をみると、地域別では中国が52%でそれ以外が48%、製品別では携帯が48%で通信が41%。28%を占めるEMEA(中東・アフリカ)はほぼ通信41%に含まれるだろう。ちょうど打倒トランシオンのために携帯電話に力を入れようとしていたところで、こちらは上位機種では影響を受けるかもしれないが、アフリカにおいてはいまの制裁の範囲だと業績に大きな影響はないのではと思う。
https://www.huawei.com/en/press-events/annual-report/2018徹底的に米国政府機関の文献等を分析しましたが、同社がスパイ活動をしているという明確な証拠はない一方、同社が中国政府の支援を受けて成長してきたことは確実です。そして5G技術では先行している。これが米国から見た問題の所在だと思います。
今年の3月と4月に中国出張しましたが、中国では、ファーウェイに関して米国の主張通りに信じている経営者や政府関係者は、まずいないと感じました。それでも米トランプ政権と全面的な経済戦争はしたくないという意志で共通しているように見えました。当面は低姿勢でやり過ごそうという感じだと思います。
米国のファーウェイへの制裁は中国に非常に大きな心理的ショックを与えました。米国に対する憤まんはマグマのようにたまっています。中国が10年後、5年後、いやもっと早期のうちに米国を追い越してみせるという競争心やイノベーションへの意欲は、中国経済人の間でかえって高まっています。日本企業には米中新冷戦についての情報にさらに精通することが求められていると思います。