(ブルームバーグ): ソニーは21日の経営方針説明会で、プレイステーション(PS)4の次世代機について、圧倒的な描画スピードを創出し、「イマーシブ(没入感)」なものになると明らかにした。

発表によれば、演算性能向上と超高速広帯域の専用SSD(ソリッド・ステート・ドライブ、記憶装置)を組み合わせる。「イマーシブ(没入感)」と、「シームレス(いつでも、どこでも切れ目なく)」が進化のテーマだという。

PS4の累計販売台数は年内に1億台に達する見込みだが、発売から5年が経過し、ソニーは次世代機の開発を進めている。16日には米マイクロソフトとクラウドゲームや人工知能(AI)分野で提携すると発表した。

吉田憲一郎社長兼最高経営責任者(CEO)は会見で、据え置き型機を使い「コアゲーマーのイマーシブな体験を今後も大事にしていきたい」と話した。一方、テクノロジーの発達に伴い、ウェブ上でゲームを操作するリモートプレイなども並行して手掛ける考えだ。

また主力の画像センサー(CMOS)への投資を増額する。従来1兆円としていた2020年度までの3年間の設備投資は、画像センサーへの投資増加により1.1兆円から1.2兆円を見込む。3年間累計の金融分野を除く営業キャッシュフローの目標は2兆円から2.2兆円以上に増額する。

半導体分野では、スマートフォン向けのカメラの多眼・大判化により、画像センサー需要は拡大するとみている。数年にわたって増産投資を行い、長期的な収益を得る考え。車載分野などでも事業を拡大する。

吉田社長による経営体制は4月から2年目に入った。今期(2020年3月期)の連結営業利益は3期ぶりの減益となる見通しだ。

前期に営業最高益を更新した同社は2月に株主還元策としては初めて、1000億円上限の自社株買いを発表し、3月までに買い終えた。5月には新たに2000億円の取得枠を設定した。3月25日に一時4507円を付けた株価は足元では6000円をうかがう水準に回復している。

吉田社長は会見で「自社株買いは今後も機動的に行っていきたい」と話した。

(次世代機についての記述を中心に書き換えました.)

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