ファーウェイ創業者“米撤退の可能性も”
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注目のコメント
何度かコメントしているように、開闢以来アメリカは通信インフラにアジアのメーカーが参入するのを徹底して拒んでいます。その昔の日本もしかり、私がアメリカの携帯電話ベンチャーにいたころはサムスンやLGが一生懸命売り込んできましたが、結局はいれず。
日本や韓国ですらそうなのですから、ましてや中国は無理。スパイ活動を実際にしているかどうかなんていう問題ではなく、国の安全保障の基幹を信用できない外国のベンダーが握るということ自体をポリシーとして排除するという点で一貫しています。アメリカ軍が中国製の戦闘機を買うわけないのと同じ。
でも、スウェーデンのエリクソンはOKなんですよね。もし今、日本のメーカーが世界で通用する規模で生き残っていれば、代替になれた気がするのに、残念です。今から言っても仕方ないですが、日本の通信機器メーカーは2000年代初期の元気だったころに、端末もインフラも大幅にどこかがロールアップして大きくなっておくべきでした。
それとも、今からでもやりますかね?日立あたりが中心になって、NECとか富士通とかからインフラ部門をことごとく買い集めて・・それでもまるで規模でかないませんが、今後のことを考えて、better late than never。
ダメになってたたき売りになる前の元気なうちに、世界市場を見込んで企業統合をする、という戦略は今後の教訓にしてほしいものです。米国を中心する資金還流はもはやメインストリームではなくなっていた……そんなことを予感させます。
今現在の世界経済の循環を、
米国→各国:各国製品を米国が輸入することで、ドルが世界で流通
各国→米国:手に入れたドルを用い、米国に先行投資
という形で循環することで景気が保たれているとする、「新帝国循環」という定義があります。(弊学教授河村氏の『現代アメリカ経済』より)
今回の件は中国政府に対する情報漏洩などのリスクを考えると、米国側の判断は妥当と言えるかもしれません。
一方でここでファーウェイ側が「米国市場を諦めるかも」と言及できるのは、それだけ他の地域で十分に成長できるビジョンが見えているから。
米国中心に回っていると考えて行動しているうちに、いつの間にか経済の中心が中国とインドになってた……
そんなことも起きるかもしれませんね。今回フランスのVivaTechでは大きなブースはもちろん、メインステージにも登壇してました。かなり積極的、かつ戦略的なPRをしている印象です。
どうしても日本のメディアは「アメリカが」というのをグローバル全体の流れみたいに見せがちですが、アメリカはアメリカの話。手放しでOKとはなっていないものの、フランスやヨーロッパはまた別の見解と対応をしています。