セブン、廃棄削減へ値引き 消費期限近い食品、秋に全店
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日本のコンビニエンスストアの圧倒的に顧客の利便性を追求したビジネスモデルが、新しい現実から見直しを求められているということ。セブンイレブンを代表とする日本のコンビニエンスストアモデルは20世紀型で、寡占化に伴う強力なバイイングパワーを駆使して高いPB比率による製造小売業化する事で圧倒的なビジネスモデルを構築した。
インターネットやAIによる第三次、第四次産業革命の中、eコマースの出現という第一の新しい現実により、アマゾンをはじめとするECのピュアプレイヤーのみならず、ウーバーEATSなどとも競合するようになった。そして第二の新しい現実は、労働人口の減少による人出不足と人件費の高騰。店舗当たりの収益の改善が、人件費や物流費の高騰を吸収できなくなっている。
そして第三の新しい現実は、世界的なサステイナビリティ(持続可能性)に関する関心が高まり、企業経営にも求められるようになったことだ。メーカー、卸、小売のそれぞれが、一致団結・協力して"ムダ"を排除する施策が求められている。24時間営業やこの廃棄商品の取り扱いなんかは、確かに社会的にどのように対応していくべきか、真剣に考えなければいけない問題ではあるのですが、業界最大手にしてこのスピード感で意思決定できるセブンイレブンはやばい。
というのも、同社はかつての日本の製造業同様、様々なサービスが高度にすり合わせされて成り立っているので、24時間営業や廃棄ロスの問題に取り組もうと思えばそのほかの様々なサービスに影響が出るから。
例えばほとんどの人が一回は使ったことのあるセブン銀行は、店舗の深夜営業がビジネスモデルを維持していくための重要な要素だった。
というのも、セブン銀行のATMユーザーの膨大な出金は、コンビニの責任者やタクシードライバー、夜のお仕事の方々が夜間に1日の売り上げを入金することで賄われている部分が少なくないから。
こういった入金があるがゆえに、他のATMのように綜合警備会社が高頻度で入金する必要性を低めて収益性を高めている。
仮に24時間営業が出来なくなると、この生態系が崩れてセブン銀行のビジネスモデルを大きく再修正しなければならない。
そして、セブン銀行のビジネスモデルの再修正が、それと関わりのある他のサービスにも波及していく可能性がある…
というわけで、その大変さがかいま見えるわけですが、にも関わらずこうやって感度高くスピーディに対応していくセブン社の意思決定力と行動力に感動することしきりなのでありました。加えて、廃棄コストは本部が負担すべき。
過剰ともいえる陳列を求められ、廃棄は店側の負担ではあまりにも不公正です。
追記
消費者も品切れに対する耐性をもっとつけるべきでしょう。
買えなくて文句を言う客がいるから店側が過剰な在庫を抱えるのです。
時間帯により変動する購買層には一定程度配慮はあってよいと思いますが、いつでもどこでも好きなものを買えることが豊かさではありません。