[ワシントン 16日 ロイター] - トランプ米大統領が国家安全保障担当を含む側近らに、イランとの戦争は求めていないと伝えたことが、3人の政府当局者らの話で明らかになった。

1人の当局者は「大統領は戦争を求めていない。戦争を求めるような人物ではない」と述べた。ただ、トランプ氏は同時に、中東地域で米国の国益を守る姿勢を鮮明にしているという。

トランプ氏は16日、スイスのウエリ・マウラー大統領と会談した際、記者団に、イランとの戦争に向かっていないことを望むと述べた。スイスは歴史的に、米・イラン間の仲介役を務めてきた。

米国がイランと戦争を始めることになるかとの記者団からの問いに「そうでないことを望む」と応じた。

米・イラン間の緊張が高まる中、米国務省はイラン政府が支援する勢力からの脅威を念頭に、イラクに駐在する一部政府職員に退避命令を出した。週末には、サウジアラビアの石油タンカーがアラブ首長国連邦(UAE)沖で攻撃を受け、イランが実行した可能性があるとみられている。

イラン核合意からの離脱を昨年表明したトランプ氏は、外交ルートでイランに働きかける考えを公の場で示してきた。2人の当局者によると、非公式な場ではボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)など一部の補佐官が戦争を求めているとして懸念を示してきたという。

ホワイトハウスのサンダース報道官は米FOXニュースの番組で、トランプ氏と補佐官らの間に意見対立はないと指摘。「国家安全保障チーム全員からの説明や助言を踏まえて、米国民にとって何が最善で最も安全かについて判断することになる」と述べた。

ペロシ米下院議長はこの日、トランプ大統領がイランとの軍事衝突を望んでいないことを歓迎すると述べた。

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