【解説】味の素とキッコーマン。「優等生」2社の決算を読む

2019/5/17
食品業界の“勝ち組”──。
味の素とキッコーマンといえば、業界全体が国内の人口減少に苦しむ中、海外をドライバーにして成長を遂げてきた「優等生」企業だ。
しかし2019年3月期の決算では、異変が起きている。
売上高は、味の素が前年比1%増の1兆1275億円で、キッコーマンが同5%増の4536億円。
これだけを見ればどちらも堅調に見えるが、純利益になると事情が違う。
法人税などを差し引いた純利益は、キッコーマンが同9%増の260億円と引き続き成長したのに対して、味の素は前年比51%減の297億円に沈んでしまった。
味の素に何が起こっているのか。両社の決算を比較しながら、ポイントを解説する。

海外では「減損」が発生

味の素は2019年3月期に、減損損失を計上している。