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今年5月、上海において、「中国と北極」というテーマで、北極圏中国フォーラムが開催されました。中国は、自らを北極関連事象の重要な利害関係者であると主張しています。
北極圏に関する事象を扱う枠組みとして、1996年、北極圏国8か国によって設置された北極評議会があります。しかし、中国は北極海沿岸国ではなく、北極評議会のメンバー国ではありません。
北極評議会設立の背景には、北極海に埋蔵される資源をめぐる北極圏国同士の争いがあったと言われます。資源等をめぐって北極圏国間の軍事的緊張も高まっています。例えばロシアは、2014年12月に北極統合戦略司令部の運用を開始し、北極海沿岸部に展開する部隊も増強しているのです。
また、中国は、北極海航路に関心を有し、北極海航路の調査を繰り返してきました。その調査を担ってきたのが砕氷船「雪龍」です。「雪龍」は、1993年にウクライナから購入されています。中国は、1990年代初頭には、北極海に関心を持ち始めていたのでだと言えます。さらに、初の国産砕氷船「雪龍2」が上海で建造されており、間もなく就役します。
「雪龍」と「雪龍2」は、中国自然資源部中国極地研究センターに所属しており、その調査は、単なる航路の調査に止まリません。「雪龍」の海洋調査には海底資源等の調査が含まれ、さらに、戦略原潜が戦略パトロールを実施する海域としての調査もされているでしょう。
中国海軍は、現在でも戦略原潜から発射する弾道ミサイルの射程の延伸を図っていますが、北極海からであれば、現有の弾道ミサイルでも米国を射程に収めることができるのです。
昨年1月、中国政府は、北極海の開発や利用に関する基本政策をまとめた「北極政策白書」を初めて公表しました。北極海航路を「氷上シルクロード」と呼び、中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」と結びつける方針を示したのです。北極海においても、米国、中国、ロシアの鍔迫り合いが激しさを増すかもしれません。