[シドニー 16日 ロイター] - オーストラリア連邦統計局が16日に発表した4月の雇用統計では、失業率が再び上昇し、8カ月ぶりの高水準となった。フルタイムの就業者数は減少した。経済を刺激するため、豪準備銀行(RBA、中央銀行)が近く政策金利の引き下げを迫られるとの見方が改めて広がりそうだ。

豪ドル<AUD=D3>は直近で0.4%安の1豪ドル=0.6891米ドルと、いわゆる「フラッシュクラッシュ(相場の瞬間的な暴落)」で0.6743米ドルまで下げた1月初め以来の安値に沈んだ。金融市場は、豪中銀が来月政策を緩和する可能性を60%近く織り込んでいる。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)のエコノミスト、カイシン・オウヨン氏は、今回の雇用統計を受け「豪中銀が、われわれが想定する7月よりも早い6月に利下げする可能性が高まった」と指摘。

「豪中銀は最近の声明の中において、労働市場が回復しなければ利下げが正当化されると言っている。きょうの指標で(労働市場の)悪化が示されたことは、豪中銀にとって大きな懸念要因だろう」と述べ、「われわれは現在、6月の利下げ確率を五分五分とみている」とした。

4月の就業者数は前月比2万8400人増加し、増加幅は市場予想の1万4000人を大幅に上回った。ただし増加分はすべてパートタイムの就業者数で、フルタイムの就業者数は6300人の減少となった。

失業率は5.2%と2カ月連続で上昇。予想は5.1%だった。労働参加率は65.8%に上昇し、求職者が増えていることが示された。

雇用統計は、18日に総選挙を控える与党保守連合には逆風になりそうだ。世論調査によると、野党・労働党が支持率でリードしている。

一方、一部のエコノミストは、総選挙に伴う不透明感が後退すれば、労働市場はすぐにでも改善するとの見方を示している。

コムセックのエコノミスト、クレイグ・ジェームズ氏は「これまでの選挙でもそうであったように、(選挙後は)物事が通常の状態に戻る」と指摘。「より多くの人々が仕事を見つけ、仕事を探す人も増えている。労働市場は引き続きしっかりとしている。豪中銀は今回の雇用統計に過剰反応せず、不透明感が晴れるのを待って判断するだろう」と語った。

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