[ベルリン 15日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.4%増となった。家計支出の拡大や建設ブームが寄与し、3四半期ぶりにプラス成長を記録した。

前年同期比は日数調整後で0.7%増加。前期比、前年同期比ともアナリスト予想と一致した。

アルトマイヤー経済相はロイターに「一筋の希望」だとしつつも、危機が去ったとは言えないと指摘。「国際貿易紛争はまだ解決していない。自由貿易を可能とする受け入れ可能な解決策を探るため、全力を尽くす必要がある」と述べた。

同相は、官僚主義の廃止と減税を通じて企業を支援すべきだとの考えも改めて示した。ただ、ショルツ財務相は法人減税を拒否している。

連邦統計庁は、昨年第3・四半期と第4・四半期について、それぞれ前期比0.2%減、前期比横ばいと確認した。

第1・四半期のユーロ圏GDP改定値は、前期比0.4%増と、前四半期の0.2%から伸びが拡大した。

ノルトLBのクリスティアン・リップス氏は「欧州中央銀行(ECB)にとって今は景気刺激策を打ち出すときではない」と指摘。同時に最初の利上げは来年半ば以降になる見込みとした。

統計庁によると、第1・四半期は、建設部門や家計支出の拡大が経済成長に寄与した。企業の機械・設備への投資も支援要因となった。政府支出は小幅なマイナスだった。

輸出と輸入はともに増加しており、純輸出が経済成長に寄与したかは現時点では不明。同庁は来週、さらに詳細なデータを公表する。

今年の経済成長率は、外部要因の悪化で、回復しても小幅にとどまるとの見方が多い。

デカバンクのアナリスト、Andreas Scheuerle氏は「通常の環境であれば、今日の統計を受けてGDP予測が上方修正されるだろうが、世界貿易に大きなリスクがあることを踏まえると、エコノミストは慎重な姿勢を維持する可能性が高い」と述べた。

外需低迷や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感も、輸出の重しとなっている。

ドイツ政府は先月、今年の経済成長率予測を0.5%に下方修正した。昨年の実績は1.4%だった。

INGのエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は、今日の統計について、油断はできないとし「新たな構造改革に加え、民間・公的部門の投資がさらに必要だ」と述べた。

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