揺れるアジアの翼、LCCも消耗戦 移ろう勝者
日本経済新聞
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エアアジアの急成長が可能になった背景は、ASEANのオープンスカイ協定です。創業者のトニー・フェルナンデスは、2001年の創業以来マハティール首相の肝いりで、ASEAN域内のLCC路線を開拓してきました。
マレーシア政府から航空機を払い下げられたフェルナンデスは、マハティール首相が進めたASEANオープンスカイ政策の恩恵を受けてきました。この協定は「ASEAN単一航空市場」という次の目標に発展しつつあります。もっとも、LCCの最大の市場である中国とインドの国内路線に進出することは規制があってできませんでした。大きな国内線市場を持つASEAN諸国、特にインドネシア、フィリピン、タイでは、ライオン航空やベトジェットのような地場のLCC企業が市場を押さえています。
結局、エアアジアは、マレーシア国内線とマレーシアとASEAN諸国を結ぶ路線でしか優位を発揮できなくなっています。LCCが大きな収益を上げるのは短距離路線であると思われますが、そのような路線を十分には持てていません。せいぜい、クアラルンプールとシンガポール、ジャカルタ、バンコクを結ぶ路線でしょう。クアラルンプール・羽田、バンコク・羽田といった路線は収益性からいうと思わしくなさそうです。各国のLCCの状況がまとまっていて分かりやすい。
飛んでいる距離がLCCは近距離が多いため、旅客数はあまり適切な指標ではない(旅客キロ=人数×距離の方がいい)が、それでも概況が伺える。