ビジネスを次のレベルに引き上げる

起業家の人生はリスクだらけだ。新しい会社を立ち上げようとする時は、それまでにないほどに危険に身をさらさなければならない──そしてこれが怖いのだ!
事業を立ち上げた当初の私は、そうしたリスクを恐れる気持ちに決断を左右されていた。失敗すること、誤った判断によって苦労して築き上げたすべてを失うことが怖かった。
だがすぐに、安全策ばかり取っていては事業の成長を抑えつけるだけだということを学んだ。少しばかりの利益は出ていたが、それでは事業を次のレベルに引き上げるには不十分だった。
そこで私はリスクから逃げずに、リスクを受け入れることを目標にした。そしてこれが成果をもたらした。
起業家にとって、リスクは避けられない。怖がるあまりそのリスクに対処できなければ、起業の際の目標は叶えられない。
リスクを受け入れるのは口で言うほど簡単なことではないが、いったん受け入れ始めれば、それがいかに自然に感じられるかがわかるだろう。リスクをうまく利用して事業を成長させていくうえで、最も有効なヒントをいくつか紹介しよう。

1. チャンスを見出す

未開拓のチャンスを最初に見つけることができれば、相当な見返りを得られる可能性がある。残念ながら、新たな分野への参入は未知の領域に足を踏み入れることでもあり、自分の取り組みが成功するかどうか確信は持てない。
だがそれでも、別の誰かが先に動き出すのを待つべきではない。むしろ自らパイオニアになるべきだ。
競合が未開拓のままにしている可能性のある分野を見つけられるように、つねに注意しておくことが重要だ。なぜまだ誰もそこに参入していないのか、その背景にある理由を調べ、自分がその分野のニーズに対する解決法を提供できるかどうかを検証しよう。

2. つねに成功できる訳ではないことを理解する

起業家としてリスクを受け入れることは大切だが、それらのリスクがつねに利益をもたらすとは限らない。だがそれでいいのだ。つねに目標を達成できてしまったら、十分な成長ができない。
重要なのは、リスクを取る前に慎重に計算することだ。安全地帯からは出たいが、リスクを取るにあたって賢い選択はしたいものだ。
失敗する可能性もあることを知りつつ、熟慮のうえに決断を下そう。思い通りに物事が進まなかった場合の代替策を考えておくといい。そしてその経験の中に教訓を見出し、次の動きに出る時にそこから得た情報を活用するのだ。

3. つねに機敏であれ

事業を立ち上げようとする時は、ついつい以前にうまくいったやり方に戻りたくなる。たしかに過去に成功したプロセスやシステムは安心できるが、それらのアイデアに固執しすぎると痛手を被る可能性がある。
何度も同じことを繰り返していると新しさがなくなり、見返りも減っていく可能性がある。事業を成長させていくうえでは、つねに機敏であることが重要だ。自分のアイデアや実践に縛られてはならない。
過去に成功を収めた経験があっても、別のアイデアややり方に切り替えるべきだ。新しいことを試し、変化し続けるトレンドとともに前進していくことが、さらなる成果を手にするうえでの助けになり得る。

4. 正しいチームを見つける

自分一人で事業を成長に導くことはできない。成功する組織は、同じミッションを支持する個人が集まった強力なグループから生まれる。
だが新たな従業員の採用やビジネスパートナーとの関係樹立には、一定のリスクが伴う。正しい選択をしなければ目標達成の妨げになるか、間違った方向に進むことになる可能性さえある。
うまくリスクを受け入れるためには、自分と同じぐらい成功を望んでいる適切なチームメンバーを見つけることが重要だ。適任のチームは、より効果的なリスク管理の助けになり得るし、何かが間違った方向に進んだ場合に事態を収拾するうえでの助けにもなり得る。
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起業家としてリスクを避けようとすると、事業の成功は頭打ちになる。安全第一で物事を進めれば、事業は一定レベルに到達する可能性があるが、飛躍的な成長を心から望むならば、必要に応じてリスクを取る必要がある。
だが重要なのは、正しいリスクを見つけることだ。たとえ恐ろしくても、追求すべき正しいチャンスを選ぶことで、事業の成長を加速させるための賢明な判断ができるのだ。
*Solomon Thimothyは、企業や代理業者がマーケティングのアトリビューションを分析するのを支援するマーケティング・インテリジェンス・プラットフォーム「Clickx」の創業者。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Solomon Thimothy/founder of Clickx、翻訳:森美歩、写真:ShutterOK/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with Jeep.