[ボストン 13日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は13日、米中通商問題を巡る緊張の高まりで景気が減速した場合、連邦準備理事会(FRB)は利下げを含む必要な手段を持ち合わせているとの考えを示した。ただ現時点ではこうした必要性はないと見ていると述べた。

ローゼングレン総裁はロイターとのインタビューで、「関税措置の影響、およびこれに対する金融市場の反応で景気が一段と減速した場合、FRBには利下げを含め、対応する手段がある。ただ必ずしもこうした必要性があるとはみていない」と述べた。

その上で「より適切な情報を入手するまでFRBが対応するのは難しい」とし、FRBが現在示している金利を巡るスタンスを変える必要はないとの考えを示した。

アナリストは米中間の緊迫が高まり貿易戦争に発展することで世界経済の悪化につながると懸念しているが、総裁は新たな関税がどれだけ影響を及ぼすかさえまだ明らかではなく、完全な分析には時期尚早と述べた。

FRBが9月終了を見込んでいるバランスシート縮小については、FRBの準備預金に対する銀行の需要を示す新たな情報次第で計画が変更される可能性があるとした。FRBが金融政策正常化に取り組む中、準備預金はここ数カ月で減少している。

ローゼングレン総裁は今年、連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っている。