南アフリカ与党の議席数過去最低 総選挙、汚職疑惑で批判
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南アの総選挙の結果がでました。与党ANCはアパルトヘイトを勝ち取りマンデラさんがいた政党で、それ以来万年与党で、勝利すること自体は既定路線でしたが、今回は何%の得票率を得るかが、ラマポーザ大統領(写真)への信任を測るものさしとして注目されていました。南アは不正がひどかった前任大統領時代に不況に陥り、国家財政、金融、資源、国営企業、インフラと抜本的な改革が必要な時にきています。与党内の前大統領派などの反対派を抑え、閣僚を揃え、改革を進めるためには、60%程度の得票率は必要とされていたので、57%という結果はそれより若干低い微妙な数値で終わったといえます。
ラマポーザ氏はアパルトヘイト時にはネルソン・マンデラ氏とともに闘い、その後実業界に転じ富豪となった人で、その経歴もあって産業界からの支持は高く、経済の立て直しを強く期待されています。
注目すべきは、若者の支持が高い第三の政党EFFの躍進。アパルトヘイト撤廃からもう25年が経ち、アパルトヘイト後に生まれた人も選挙権を持つ年代になってきました。彼らにとってはアパルトヘイトの戦士ANCはカウンターではなく既得権益層です。長く続いたANCの神通力も陰りを迎えているのかもしれません。南アフリカでは、毎日のように各地でデモが起きている。最大の理由は、経済状況だ。黒人の政治的解放は、なかなか経済的解放につながらない。例えば、アパルトヘイト撤廃以後、白人企業が黒人従業員を低賃金で買い叩くことが出来なくなると、その反動で黒人の失業者が急増するという事態が起こった。そんなこんなで、黒人と白人の経済格差は解消していない。大多数の黒人は、今でも貧しい。それがANCに対する支持を減らしている最大の要因だ。ただし、ANCが政治的解放者だといイメージは高く、年齢層が高くなれば支持率も高い。一方、若者層の投票率は非常に低くなっている。その結果、ANCは第一党にとどまっていられた。