イスカンデル短距離弾道ミサイル
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イスカンデルの語源は、確かに史実のマケドニアのアレキサンダー大王なんですが、別にミサイルの名前にアラビア訛りのアレキサンダー大王とつけたのとは、ニュアンスとしては多分ちょっと違うと思いますよ。
そもそもミサイルの本当の名前はイスカンヂェールでれっきとしたロシア語なのでアラビア語でさえないわけですし。
(蛇足ですが原文にあるギリシア語云々のアレキサンドル大王もアレキサンドロス大王が正しい)
それでは兵器の名前のイスカンデルとは何かというと、主にイスラム圏に広く伝わる伝承で、アレキサンドロス・ロマンスというのがあるのですね。
で、その中ではアレキサンダー大王は史実とは関係なく、イスカンダル(イスカンデル)双角王(イスカンダル・ズル=カルナイン)という神から強力なパワーを与えられた伝説の英雄王として描かれ、あのクルアーンにさえ登場するわけです。
しかもその強さは、別の伝承ではさらにスケールアップして、旧約聖書の黙示録エゼキエル書にある世界の終末の時に現れる獣ゴクとマゴクを封印する力を持った半神という伝承さえあるほど。
この様にイスカンデルは、単にアレキサンダー大王を指すのではなく、途轍もない強力な力を持った者の代名詞になっているわけです。
おそロシアの兵器の名称としては、なかなかそれらしい名前で、筆者の推測する中東の開発者が名付けたのではなく(開発はモスクワ州の機械設計局)、そういうイスカンデル伝説から名付けられたと考えるのが妥当かなと私は思います。高橋和夫さんのわかりやすいエッセイ。(ほとんど見ませんでしたが)世代的にあのアニメの惑星の名前と間違えそうですが、元々同じ意味のようです。
追記(5月15日)大山さんのご指摘に今気づきました。とても勉強になります。