FRB、景気低迷期に長期金利水準設定も選択肢=ブレイナード理事
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長期金利コントロールを導入する場合の成功如何は、言うまでもなく、上昇圧力を抑制しうるかどうかにあります。
日銀が少なくともこれまで成功してきたのは、成長期待やインフレ期待がそもそも低く、その意味で長期金利の上昇リスクが小さいと認識されていることによる面が大きいように感じます。
そうした下で、日銀がマイナス金利政策を運営していることは、将来のいずれかの時点でこうした政策が繰り返される可能性があるという意味で、イールドカーブの足元だけでなく、先の領域まで下方圧力を及ぼしています。
さらに言えば、日本の場合には国債の9割以上を国内投資家が保有していると言う意味で、長期金利の安定はいわば公共財となっており、従って日銀によるmoral suasionも比較的有効と見られます。
これらの「好条件」が全て該当しない米国で長期金利をコントロールしようとすることは、はるかに難しいことであることが明らかです。FRBは金融危機のときにも長期金利を固定する政策について、実際にFOMCで検討していたことが、過去の議事録からわかっています。
ほとんど表に出てきていませんが、当局者の中では、すでに頭の中にある政策です。イールドカーブまでコントロールしようというのは、尊大な野望だと思います。市場に任せるしかないのでは。後に、副作用だ、出口だと、頭を悩ますことにもなりかねません。