【激白】WeWorkのライバルに急浮上。TKPの正体

2019/5/16
ソフトバンクグループの出資を受けて、日本でもコワーキングオフィスのWeWork(ウィーワーク)が急速に"増殖"する中、突如としてライバルが現れた──。
貸し会議室大手のティーケーピー(TKP)である。
設立は2005年、2017年には東証マザーズに上場したTKPが4月、レンタルオフィスの世界大手「リージャス」の日本法人を買収した。その金額は3億2000万ポンド。日本円にして約450億円に上る。
現在、TKPは日本を中心に2137室の会議室(2019年2月期末時点)を運営する。オフィス街でTKPの赤い看板を見たことがある人も多いだろう。
連結従業員数1100人を超えるTKPはこれまでもM&A(合併・買収)を積極的に行い、経営再建中の大塚家具の支援に名乗りを上げたことでも有名になった。
急成長するTKPがリージャスの日本法人を傘下に入れたことで、WeWork旋風に湧く「フレキシブルオフィス市場」は日本でどう活性化していくだろうか。
NewsPicks編集部は、TKPの河野貴輝社長に独占インタビューする機会を得た。「WeWorkは敵ではない」と語る河野社長は、これからどんな手を打っていくのか、話を聞いた。
河野貴輝(かわの・たかてる)。慶應義塾大学商学部卒業後、1996年、伊藤忠商事入社。同社で為替証券部を経て、1999年、日本オンライン証券(現・カブドットコム証券)出向。2000年、日本電子決済企画(現・楽天銀行)入社、社長室長・執行役員営業本部長。2005年8月、TKPを設立し、代表取締役社長に。

相手はリージャスしか考えられなかった

──リージャスの日本法人を3億2000万ポンド(約450億円)で買収しました。これまでもいろいろな企業を買収してきたと思いますが、過去最高レベルの額ですね。
河野 最高額です。この金額には、さすがにしびれました(笑)。
リージャスとの出会いは2010年です。当社が会議室をオープンしたニューヨークのマンハッタンのビルの、まさにその上の階にリージャスのオフィスがありました。
買収発表時の会見。左がIWGのマーク・ディクソンCEO(TKP提供)