【新】「妄想」から価値あるアイデアを創る、思考の新技法

2019/5/13
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第190回(全5回)は、『直感と論理をつなぐ思考法』(ダイヤモンド社)を出版し、注目を集めている戦略デザイナーの佐宗邦威氏が登場する。
佐宗氏は、P&Gのブランドマネジャー時代、戦略思考から始まり、PDCAを回す働き方で成果を上げてきたが、そんなロジックとデータで詰めていく働き方は5年ほどで行き詰まってしまうという。
なぜ、戦略思考は行き詰まるのか?
「限られたパイの中でシェアを争う戦略ゲームは、成長曲線がやがて頭打ちになるからです。そのあと5年間、110%ずつ売り上げを伸ばし続ける作業は、もう苦行以外の何ものでもありません」と佐宗氏は語る。
一方、この戦略思考を飛び越え、圧倒的にゲームを変えられるマーケターは、最適解を出すのではなく、「妄想を起点にジャンプした答えを出している」ことに気づいたという。
そんな妄想や直感からスタートし、停滞感を打ち破る新しい思考法と言えるのが、今回、佐宗氏が伝授する「ビジョン思考」だ。
では、ビジョン思考では、妄想や直感を、どのようなプロセスで価値ある独自アイデアやビジョンに転換するのか。
直感や妄想を磨く技術から、日頃の生活の中で知覚力・観察力を磨くテクニック、斬新かつ有用な独自アイデアを出すための「組替」のメソッド、そしてアウトプット(表現)の技法について、佐宗氏が実践する方法を紹介する──。
戦略・論理では行き詰まる理由
──佐宗さんの新刊『直感と論理をつなぐ思考法』は、妄想や直感を起点として、論理思考や戦略思考では出てこない、価値あるアイデアを生み出す新しい思考法である「ビジョン思考」について、その具体的なメソッドが多く紹介されています。初めに、佐宗さん自身が戦略思考から「ビジョン思考」へと至った経緯について説明してください。