[クアラルンプール 7日 ロイター] - マレーシア中央銀行は7日、政策金利<MYINTR=ECI>を3.25%から3.00%に引き下げた。

利下げは約3年ぶり。予想される景気の減速に対処することが狙い。

ロイター調査では、エコノミスト13人の半数強が利下げを予想していた。

中銀が前回利下げしたのは、英国の欧州連合(EU)離脱決定後の2016年7月。政策金利を3.00%に引き下げた。その後、政策の「正常化」のため、2018年1月に政策金利を3.25%に引き上げた。

中銀は、今回の利下げについて「金融の緩和度を維持することが狙いだ」と説明。「物価安定の下で安定した成長軌道を支援するという金融政策スタンスに沿ったものだ」としている。

東南アジアでは今年初の利下げとなった。

米連邦準備理事会(FRB)は利上げを停止しており、アジアの中銀には利下げ余地が生じている。

UOBバンクのエコノミスト、ジュリア・ゴー氏は「(アジアでは)さらにハト派的な見通しを採用する(中銀が増えるだろう)」と予想。

キャピタル・エコノミクスのアレックス・ホームズ氏は「経済成長は2019年を通じて低迷する公算が大きく、年内に追加緩和があるだろう」との見方を示した。

キャピタル・エコノミクスは2019年の経済成長率を4.0%と予測。同氏は、追加利下げは物価と景気の低迷が理由になる可能性が高いとの見方を示した。

中銀は3月、輸出が大幅に伸び悩むとして、2019年の経済成長率予測を4.9%から4.3─4.8%に下方修正した。

リンギ<MYR=>は利下げを受け、1ドル=4.1530リンギ付近に下落。今年は対ドルで約0.3%値下がりしている。

中銀は「貿易摩擦は解決しておらず、主要国経済は各国の事情で低迷が長期化している。このため、世界経済の成長に対する大幅な下振れリスクが残っており、世界の貿易・投資活動を一段と圧迫する要因となっている」と表明した。

*内容を追加しました。