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ハノイでの2回目の米朝首脳会談で何も成果を得られなかった北朝鮮は、再度の米朝首脳会談を早期に実施する必要があるのです。それだけ、経済制裁が効果を上げているということでしょう。
北朝鮮は、朝鮮半島の平和と安定は完全に米国の今後の態度に左右されると言い続けてきました。朝鮮半島に平和が訪れないのは米国のせいだというのです。また、4月26日、金正恩委員長はプーチン大統領との首脳会談において、「2回目の朝米首脳会談で米国は一方的で善意が見られない態度を取った」と批判し、また「朝鮮半島情勢は元の状態に戻りかねない危険な状況だ」と警告しました。
米国が、北朝鮮との交渉に戻らなければ、また軍事的緊張が高まるぞ、と脅しているのです。そして、今度は、短射程のロケットやミサイルを、実際に発射して見せたのです。北朝鮮のこれら一連の言動は、米国を交渉のテーブルに引き戻すためのものだと言えます。
米国には、段階的な非核化で部分合意するのが現実的だとする意見があります。部分的合意をすれば、北朝鮮は、少なくとも新たに核実験や弾道ミサイルの発射実験を行わないので、これ以上事態は悪化しませんが、何も合意できなければ、北朝鮮の核攻撃の能力は向上してしまうという意見です。部分的合意の方がベターだということです。
米国は、北朝鮮との交渉は急がなくて良いとしていますが、北朝鮮は、急がなければ事態が悪化するぞ、と言っているのです。
日本には、米国に対して米朝首脳会談の早期実施を促してほしいのでしょう。そのために、安倍首相との首脳会談をエサにすると考えられます。日本には、拉致問題という解決しなければならない問題があります。拉致問題に関する交渉を引き換えに、日本に対して、米国への働きかけを求めると考えられるのです。
日本にとっては、拉致問題を解決する数少ない機会ですが、その交渉に当たっては、北朝鮮の非核化をどのように進めるかの国内コンセンサスと米国との認識共有がひつようになります。