[ソウル 5日 ロイター] - 北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は5日、北朝鮮が金正恩委員長立ち会いの下で4日、東海で多連装ロケット砲と戦術誘導兵器の「攻撃演習」を実施したと報じた。

「大口径の長距離多連装ロケット砲と戦術誘導兵器」の能力を試すことが目的だったとしている。

韓国の慶南大学極東問題研究所の金東葉教授は、KCNAが公開した写真から、戦術誘導兵器は短距離の地対地弾道ミサイルである可能性を指摘した。

こうしたミサイル発射は国連決議違反とみられるものの、米国の脅威となる長距離弾道ミサイルではない。

韓国国防省は、4日発射された飛しょう体の飛距離は70─240キロメートルとしている。

KCNAによると、金委員長は北朝鮮の政治的主権と経済的独立性を守るため戦闘能力を増やす必要性を強調した。

韓国政府は4日、北朝鮮に朝鮮半島の緊張を高める行動を止めるよう呼びかけた。

またトランプ米大統領は、依然として金委員長との合意実現に自信をもっていると指摘。ツイッターに「金正恩氏は北朝鮮の素晴らしい経済的潜在性を完全に理解しており、それを妨げたり終わらせるようなことはしない。私が彼と共にいることも知っており、私に対する約束を破りたくはないはずだ」と投稿した。

ポンペオ米国務長官は「FOXニュース・サンデー」のインタビューで、ミサイルは短距離だったとの認識を示し、実験の凍結は米国に脅威となる大陸間ミサイルシステムを「焦点」としてきたと指摘。米政権は「非核化を達成するため平和的な解決に向けて取り組みを継続」したいと語った。

*ポンペオ米国務長官のコメントを追加しました。