【対話の未来】VRが「人と人のつながり」を強化する

2019/5/4
VR(ヴァーチャル・リアリティ)というと、現実とは一線を画す「架空の世界」のイメージがあるかもしれない。
しかし、VRもまた「現実」の一部。VRによって、我々はデジタル社会の中で失いつつあった「人と人のつながり」を取り戻すことができる──そう語るのは、VRの最新事情に迫ったルポ『フューチャー・プレゼンス』(ハーパーコリンズ・ジャパン)の著者である、ピーター・ルービン氏だ。
同書の日本語版刊行にあたり、NewsPicksではルービン氏にインタビュー。ルービン氏が考える「VR時代のコミュニケーションのあり方」について聞いた。
WIREDの雑誌・オンライン版シニアエディターとしてカルチャーからデジタルプラットフォームまで幅広いトピックを担当。2014年フェイスブック社に買収されたオキュラスの特集を筆頭に、VR業界について様々な記事を執筆し、テック系のメディアでパネラーとして活躍する。ニューヨーク・タイムズ、GQ、ローリングストーンといった数多くの媒体にも寄稿している。
VRが「親密さ」をもたらす理由
──チャットルームやオンラインゲームなど、人と人がつながるためのデジタルなプラットフォームはすでに存在しています。「人とのつながり方」において、VRのユニークな点とは何でしょうか?
ルービン 最大のポイントは、VRがもたらす「プレゼンス(実体感)」です。
VRの中で、我々は自分がバーチャルな空間にいることを認識しながらも、「自分の身体がその空間の中に存在する」という感覚を持ちます。その結果、「他人と同じ空間を共有する」という感覚が生まれます。これは、従来のプラットフォームでは体験することのできない感覚でしょう。
この「相手と同じ世界にいる」という感覚が、テクノロジーによって誘発されたものであることも、我々はしっかり認識しています。それでもなお、この感覚は人とのかかわり方を決定的に変えるのです。