ユーザーである航空会社にとって悩ましいのは、だからといってボーイングのライバルのエアバス機にすぐに乗り換えられないこと。737MAXは売れ筋だし、整備体制からパイロットの訓練から何から何まで同機に最適化してあって、航空会社によってはボーイングへの依存度も高いでしょうから。ボーイングと同機の飛行を承認したFAAの責任はとてつもなく重いです。

安全性に対する信頼が大きく揺らいでしまった今、どのようにその信頼を回復していくのか、そして回復できるのか引き続き気になるところ。

B737 Max8の設計を知れば知るほど、この問題の根の深さを知ることになります。

他のソリューションは、いくつもあったのに、最悪の設計を選択し、かつ、それにより発生した予測可能だった事故に対して、極めて不透明な対応。

かつての優良企業が、Airbusとの熾烈な競争で、大事なものを見失ってしまった。これが、致命傷になる可能性もあります。

Boeing対Airbusの戦いは、最後はコンプライアンスで決着した感じです。

ランディング・ギア部の設計を変えて、地上高を、ほんの少しだけ上げれば、このような設計にはならずに済みましたし、MCASという制御をいれる必要もなったと思います。