【山口揚平】新しい時代の「お金論」。若者よ、信用を稼ごう

2019/5/4

ソフトマネーの新しい形

──山口さんは過去の著書で、「SNSの世界では、つながりこそが価値を生む、そこから個人の信用につながる」といった内容のことを書かれていました。このように5、6年前に考えていたことが今、現実となっています。当時はどのような思考で考えられていましたか。
山口 未来が直接、過去の延長線上にあるわけではありませんが、「こうなったら次は何だろう?」という考えをすることができます。
数学のクイズのように、「1」「3」「5」という数字の連続性があったとすると、次は何の数字になるのかと推測するのです。同じように、過去から学んで問いを立てれば、将来的に人々はつながりのなかで信頼を築いていくだろうと考えることができました。
山口 揚平/事業家・思想家
早稲田大学政治経済学部卒。東京大学大学院修士(社会情報学修士)。専門は、貨幣論、情報化社会論。1990年代より大手外資系コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと30歳で独立・起業。劇団経営、海外ビジネス研修プログラミング事業をはじめとする複数の事業、会社を経営するかたわら、執筆・講演活動を行っている。
すると、今度はそのつながりのなかでものをやり取りするでしょうし、評価し合うはず。お金を介在させなくても、ネットワークのなかで直接やり取りするような世界も見えてきます。