平成最大の倒産は協栄生命=上位には金融関連ずらり
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企業倒産にまつわるジンクスのひとつに「超大型倒産は9月と10月に発生する」というものがあります。このジンクスは平成の時代も健在でした。
負債額トップの協栄生命保険(2000年10月)、2位のリーマンブラザーズ証券(2008年9月)、3位の千代田生命保険(2000年10月)と上位3社はもちろんのこと、負債1兆円を超えた上位10社中7社が、9月ないし10月に発生しています。
余談ですが、2000年は自分が帝国データバンクに入社した年でもあり、よく覚えています。メガバンクの不良債権問題を端緒として未曾有の大型倒産ラッシュが続き、新人だった自分は大型倒産速報を持って、日銀記者クラブへ投げ込みに走る毎日でした。
今のところそこまでの事態は想定しづらいものの、来るべき令和元年は、このジンクスが当てはまる年となるのかどうか。この秋の倒産動向の注目点のひとつです共栄生命の破綻直前の総資産が4.6兆なのでこれは債務超過額ではなく負債額。生保の責任準備金は莫大なので、まあ気持ちはわかるけどちょっとミスリーディングな気が。
金融の負債総額が大きいのは、金融は自社の資産を運用して売上を立てるからであり、しかも預かり資産は制度として、倒産隔離されているものが多いので、あまり参考にはならないです。
あと時期は97、98に係る山一、長銀の第一次金融危機、00、01に係るりそな国有化の第二次金融危機のタイミングがほとんどですね。いわゆる業界の都合です。
一方でマイカル、JAL含めた金融以外の会社の倒産(倒産とは正式な法律用語ではないですが)は、個社事情がほとんどであり、そこに至るまでの分析をすることは、我々の業界では重要です。
ただし、ここにはカネボウなどは法的整理でないので、出てこないことも含めて、倒産のスキーム(会社更生、民事再生、私的整理)は、再建のための手段の一つでしかなく、重要なのは、どの様なスポンサーが入って再建したのか、若しくは再建を、諦めたのかということですね。