[24日 ロイター] - 米電気自動車(EV)メーカーのテスラ<TSLA.O>が24日発表した第1・四半期決算は、7億ドルの赤字となった。量産車「モデル3」の生産や納入の遅れに苦しむ中、第2・四半期も赤字になるとの見通しを示した。

ただ、第3・四半期はコスト削減や納車の改善を背景に黒字を回復すると予想した。

第1・四半期末時点のキャッシュは22億ドルだった。

株主帰属の純損失は7億0210万ドル(1株当たり4.10ドル)。前年同期は7億0960万ドル(同4.19ドル)だった。

一時項目を除くと、1株当たりの損失は1.77ドル。リフィニティブのデータによると、市場予想は0.69ドルだった。

テスラは、2019年の納車台数見通しは36万─40万台を据え置いた。上海の工場が第4・四半期に量産できるようになれば、19年の世界生産台数は最大50万台になる可能性があると指摘した。

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は決算に関する電話会見で、世界での納車が前例のない規模でロジスティクスの問題に直面したと述べた。

また、現在建設中の上海の工場でのモデル3生産台数について、年末までに週間ベースで3000台になる可能性が高いとした従来の予想は示さず、1000─2000台になるとの見通しを示した。

多くのアナリストは、上海工場、スポーツ多目的車(SUV)「モデルY」、その他のプロジェクトを含む事業拡大に向けて、テスラが資金を調達する必要があるとの見方を示していた。

まだ資金調達を行っていない理由を聞かれると、マスク氏は「資金調達にはある程度のメリットがある」とし、「おそらく適切な時期だ」と述べた。

また、テスラ株を非公開化したいが、機会を逃したとの考えを示した。

テスラは、車両の安全に関連して、独自の保険商品の提供を約1カ月後に開始する方針を明らかにした。

第1・四半期の納車台数は約6万3000台だった。モデル3の粗利益率は20%と安定している。

テスラは第2・四半期の納車は9万─10万台になると予想。また第2・四半期の損失は、第1・四半期の水準を「大幅に」下回るとの見方を示した。

インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ハリス・アンワル氏は、第2・四半期のガイダンスは「暗い」とし、2019年はテスラと同社株にとって引き続き不安定な1年となると予想した。

マスクCEOは投資家への書簡で「納車の増加やコスト削減を受けて、第3・四半期には収益性を回復し、第2・四半期の損失を大幅に削減する見込み」だと説明した。

決算発表後、テスラの株価は引け後の時間外取引でほぼ横ばい。年初来では22%下落している。

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