【現地発】最先端「オンライン授業」に生徒・保護者が「反乱」

2019/4/27

シリコンバレー発の教育プログラム

反抗の火種は教室で蒔(ま)かれ、生徒の自宅のキッチンやリビングでくすぶり始めた。
炎が一気に燃え上がったのは、今年1月のある日のこと。その日、カンザス州マクファーソンの中学2年生、コリン・ウィンターは授業をボイコットし、教室を飛び出した。近くのウェリントンの町では、高校生が座り込みのデモを敢行した。保護者は自宅や教会や商店の裏で話し合いを重ね、大挙して教育委員会に押しかけた。政治的メッセージの入った看板など、普段は見かけることもない住宅地に、突如として赤い斜線で抗議を示す手製の看板がいくつも立った。
シリコンバレーがカンザスの田舎町の学校に進出した結果、激しい抵抗に遭っている。
「クロームブックを突っ返して、もう嫌だと言ってやりたい」と、ウェリントンに住む高校1年生のケイリー・フォースランドは不満を露わにした。
話はその8カ月前にさかのぼる。ウェリントン、マクファーソンを含むカンザス州ウィチタ周辺の公立学校で、「サミット・ラーニング」と称するオンライン教育システム/カリキュラムが採用されることになった。
同プログラムはシリコンバレーで開発されたもので、オンラインプラットフォームを介して生徒一人ひとりに合わせてカスタマイズする「個人学習」が売りだ。
プラットフォームの設計に携わっているのは、フェイスブック社のエンジニア。同社CEOのマーク・ザッカーバーグと、妻のプリシラが資金を提供している。
(Christopher Smith/The New York Times)

当初は保護者からも歓迎されたが…