【いまエネルギー・環境を問う 竹内純子の一筆両断】イノベーションで温暖化問題へのリーダーシップを
産経ニュース
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ちょうど昨日(もう時間的には一昨日)、環境省と経産省それぞれの委員会(中央環境審議会・産業構造審議会)の合同会合があり、わが国が国連に提出する「長期戦略」(=地球温暖化に対する長期的な戦略。2050年ごろに向けたビジョンあるはゴールと言ったようなものです)の案が議論されました。私も出席してきましたが、結構報道されてもいたのでご覧になった方もいるかもしれません。
まずこの長期戦略が求められる背景をご説明すると、京都議定書という短期的な目標達成を求める仕組みがうまく機能しなかったことへの反省があります。これを踏まえてパリ協定では、長期的な大幅削減に向けたビジョンを示すことが求められているのです。
とはいえ、2050年、今世紀後半という遠い将来に、責任をもってモノを言うのは難しいので、ビジョンとかゴールを語ることに慣れている欧米各国は、早めに出してしまったのですが、日本は出し損ねていたのです。G20の前には出さないと、ということで今回の戦略案の取りまとめに至りました(まだパブリックコメントなどの受付があります)
「2050年80%削減より、もっと引き上げるべき」という声もありますが、2050年80%が容易に達成できるとは到底到底思えませんし、高い目標掲げればリーダーになれるわけではありません。世界が求めているのは、大幅な低炭素化を可能にするイノベーション。ここに具体的な貢献をしていくべきでしょう。